2020.02.25LUMINE meets ART AWARD
LUMINE meets ART AWARD 2019-2020 受賞者発表
第7回目を迎えるLUMINE meets ART AWARD 2019-2020の受賞者が決定しました。公募により400点を超えるご応募があり、そこから厳選なる審査を通過した作品2点を表彰いたします。受賞作品は、審査員が推薦するゲストアーティストの作品と共に、9月にルミネ館内にて展示いたします。
グランプリ
乾燥地帯の街路広告
藤倉麻子
1992年生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。第22回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品選出。工業製品やインフラストラクチャーが自律を獲得し、運動する様子を描き出す作品を展開している。道具から道具性をはぎとり、日常において忘却される都市の存在を示す。
作品コンセプト
乾いた地の路上に光り続ける電光掲示板とのぼり旗、街頭広告。それぞれはこの地帯、もしくは地図のない領域の地平線の向こう側の何かの集合の生活現場を放映し、告知する。生産され、一度路上に置かれた宣伝物や工業製品は、だれに向けてかいつまでか宣言しないまま立ち、機能し続ける。画の中の景色は、そこの塀の裏、壁の中の水道管のつながる先にある場所かもしれない。人の手を離れた製品が、物が物として立ち現れる領域で、拡張し、コロニーを築いていく。
審査員の声
- 永井秀二
- 広告が溢れる新宿で、今回の作品のタイトル「乾燥地帯の街路広告」をどうウィンドウで表現するのか楽しみです。
- 小山登美夫
- 藤倉さんの映像の風景は、物へのリアルな感覚が色濃く残り未来的でありながらノスタルジックなところが魅力的です。
準グランプリ
転生 Animals
髙瑞/KOHSUI
彫刻家。「変身」や「野生」をテーマに、自然の美しさを還元するように、あるいは野生の荒々しい美しさを喚起するように作品を制作している。
作品コンセプト
この作品は自身の野生動物になりたいという変身願望から着想したものです。日常的な置物を改造し野生動物の瑞々しさや荒々しさ、尊さを加えることを試みた作品と、自作の着ぐるみを展示します。この作品の根底には、アイデンティティや社会的なしがらみから逃れたいという自分自身の変身願望と、人間の地球環境に対する放漫さへの怒りがあります。動物に転生するというフィクショナルなイメージを示すことで自然環境と人間の関係について、あるいは現代社会の難しさについて考え、抵抗を試みています。
審査員の声
- 遠山正道
- 都市生活者の言葉にならないおかしみと哀しみがポツンとある。分からなくてもがいているような作品。
- 加藤育子
- 置物と着ぐるみ。飾りの動物が持つ「静と動」の対比から、ウィンドウに命が灯り、新たな発展となることを期待します。