ルミネ新宿 ルミネ2 2F
スタニングルアー横
ショーウィンドウ
展示期間【5/26~6/15】
ARTIST PROFILE
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ハシグチ リンタロウさん
(LMAA2018-2019 グランプリ) - 1985年 長崎県生まれ。10代の頃に音と感情と言葉が渾然となったパンクロックに出会い、表現活動の原点的な体験となる。伝統的な書道技術や美意識を学ぶ一方で戦後の様々な前衛芸術、特に井上有一の「書は万人の芸術」という考えに触発され「日常から生まれた、生きるためのエネルギー」として書を展開。日々思い付いた断片的な言葉をノートに書きつけており、それらが組み合って生まれる造語や造字を毛筆がわりの安価なタオルで墨まみれになりながら書く。そうして生まれる生き物のような文字の塊はデジタル全盛の現代の中で異質な存在感を放っている。
EXHIBITION WORKS
- <nebula tama-SEE Nation> と <謎の本>
今回展示は、2つの作品から構成されています。
一つは、<nebula tama-SEE Nation>。これは遠い昔の宇宙のどこかでの話。鏡銀のような不定形なままたなびく何かが流れている。それらは振動しながら不定型なかたちに亀裂が生まれ、分かれていきます。
もう一つは、<謎の本>という書物についてのシリーズ。おそらく元は一冊だった謎の書物が、散り散りになり、無数の断片となって箱に入って漂流するというもの。
文字を書く時代に生きた「書き(WRITE)、灯す(LIGHT)人々」=「WLIGHTERS」のストーリー。
- 【受賞当時を振り返って】
- 受賞時に出した「PSYCHO SAVERS TONIGHT」は「狂気と創造」について考えている中で出てきたもので、頭の狂ったおかしい奴が誰かを救うというイメージから生まれました。僕にとって言葉を用いた表現は頭の中を駆け巡るさまざまなことを繋ぎ止めるキーワードであると同時に、そこから新たな創造を呼び込む起点を作る行為です。大量の墨汁の入ったバケツの中に和歌のミニマルな手法やパンクのスピリッツをぶち込んでかき混ぜまくった化学反応で墨まみれの言葉が闇夜に飛び出す!そんなことを考えながら書きました。
- 【今回の展示への意気込み】
- 最も原始的なMEDIA「ことば」は、遥か昔から人々の生活と共にありました。初めは音の世界にあったことばが、文字として形を持つ視覚の世界に分岐し、記号として洗練を繰り返していった先にあるのが、現在私たちが使っているデジタルフォントです。僕の念頭にあるのはそれとは異なる文字の世界で、原始的な身体性の残る、精神性を宿したことばが塗料を用いて書き付けられ、生き物のようにうごめき、メッセージを発する「WORD MUTANT」です。この時代に暗がりの中に眠る可能性を呼び覚ます魂の表現をしたいと思っています。