ニュウマン新宿 2F
NEWoMan ART wall.
(JR 新宿駅ミライナタワー改札横)
展示期間【5/26~6/15】
ARTIST PROFILE
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尾花 賢一(オバナ ケンイチ)さん
(LMAA2014 準グランプリ) -
1981年群馬県生まれ。
人々の営みや、伝承、土地の風景や歴史から生成したドローイングや彫刻を制作。
虚構と現実を往来しながら物語を体感していく作品を探求している。
近年の主な展示に「200年をたがやす」秋田市文化創造館(2021年、秋田)、「奥能登国際芸術祭2020+」石川県珠洲市(2021年、石川)、「VOCA2021」上野の森美術館(2021年、東京)、「表現の生態系」アーツ前橋(2019年、群馬)など。また、「VOCA2021」ではVOCA賞を受賞。
EXHIBITION WORKS
- 交点
作品制作を始める際、展示される場所や状況を掘り下げることが重要なモチベーションになっています。新宿の中心地にあるこの場所に立つと、様々な目的を持った人たちが私の周囲を通り過ぎていきました。仕事のために足早に改札へ向かう人、ショッピングを楽しんだのか大きな紙袋を持って歩く人、スーツケースを転がしバス乗り場に向かう人。それぞれマスクをつけて表情は見えませんが、様々なストーリーを抱えながらこの場所を訪れたことを感じます。この大きな街で生まれる一瞬の出会い。そんな僅かなすれ違いを作品を通して表現したいと考えています。
- 【受賞当時を振り返って】
- LMAA2014での発表は、初めての作品を社会にリリースする体験でした。美術館やギャラリーといった閉ざされた場所ではなく、不特定多数の人が行き交う開かれた場所。覆面を被った不穏な人物像をモチーフとした作品は、どのように受け止められるのかギリギリまで悩み続けたことを覚えています。しかし一方で社会との繋がりを意識したことで、作品は流動的になり予想外の広がりが生まれることも学びました。その土地の特性と重ね合わせながら作品を磨き続けることは、現在も制作を進めていく過程で大切にしている視点です。LMAAで発表してからもう8年経っていることに驚愕しつつ、作家としての基礎体力はこのアワードによって彩られたことを実感しています。
- 【今回の展示への意気込み】
- 前回の展示を終えてから都心を離れ秋田に拠点を移しました。現在も様々な地方で作品を展開することが多く、新宿という沢山の人々が行き交う場所での発表は本当に久しぶりです。こういったご時世ですので以前感じた印象とは異なっているのかもしれませんが、それでも時間を隔てて同じ空間で展示できることはワクワクしております。日々風景が更新されていくこの場所で、ここ数年での経験をどのように落とし込むことができるのか。過去に行った自分の作品を振り返りつつ、構想を深めていきたいと思います。