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LUMINE meets ART PROJECT

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2024.06.05LUMINE meets ART

meets ART story #12

  • #INTERVIEW

独自の手法を見つけたスクラッチアーティスト、アカダチアキが語る
作品への思いと「自分らしさ」とは?

カラフルに塗った下地をその上からダークな色で塗りつぶし、表面を削りながら絵柄を制作していく「スクラッチアート」。バラエティ番組『プレバト!!』にも出演しているスクラッチアート作家、アカダチアキさんがこの技法で作品づくりを始めたのは21歳のとき。NYの大学で2年間アートを学び、帰国後に実家の部屋を片付けていたときに、たまたまクレヨンを見つけたのがきっかけだった。
「NYでは当時ポップアートが流行っていて、その色彩感覚に影響を受けました。帰国後は油絵をやっていこうかなと思っていたけれど、スクラッチアートならビビッドな色彩を表現できて、しかも削る作業では日本人ならではの繊細さを生かせる。これこそ私にとって理想の表現方法!と気づいて、突き詰めていこうと決めました」

制作現場を覗くと、削った際にどんな色が現れるかを計算しながら下地を塗っていく作業や、絵を丁寧に削り出す作業など、難易度の高い工程を器用にスイスイと進めていくさまが見事。実はいちばん時間がかかるのは、こうした工程に入る前に、モチーフや構図を考えながら鉛筆で下絵を描いていく部分だという。
「見えないものまで表現できるのが絵。匂いとか、風が吹いている感じ、人の感情とか。そういったものをどんなモチーフを借りて、どう表現するのか。悩みながら日々チャレンジしています」

アートを制作するだけでなく、教えるのも得意で、放課後等デイサービスで子どもたちに絵を教えたりもしている。また、小説の装画や商品パッケージなどの仕事も手がけてきたが、近年は「CHIAKI AKADA STUDIO」という3人組のクリエイティブチームで、企業のグッズやホームページ制作なども。コンセプト作りやリブランディングから関わり、企業とともに世界観を作り上げていく。
「人と話すのがめちゃめちゃ好きで、特に知らない人と話すのが楽しい。海外で学んだのも、違う文化の人たちのことを知りたいという思いがあってこそでした」

アートで自己表現することと、作品を通して誰かの思いを伝えることや課題を解決すること。両方が「自分らしさ」だとアカダさん。
「誰かが笑顔になるようなことをやりたい。私のアートは、見てくれる人にとってエンターテインメントでありたいと思っています」

作品イメージ

大阪府内のアトリエにて。

作品イメージ

下塗りをダークカラーで塗りつぶした上から、銅版画用の刃物や油絵用のペインティングナイフなどで削っていく。

作品イメージ

「HAVE A GOOD NIGHT」シリーズ。「暗すぎる夜は死を思わせるので好きじゃない」とアカダさん。暗闇に月の光を灯し、「夜眠るときのお守りに」との願いを込めた。

Text: Kaori Shimura Photo: Takehiro Goto Design: Satoko Miyakoshi Edit: Sayuri Kobayashi Planning: AERA AD section

※本記事は2024年3月19日に『AERA』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。

  • LUMINE meets ART PROJECT

    LUMINE meets ART PROJECT
    アートと人々の未来の地図を描くプロジェクト。
    お客さまの日々の生活を豊かにする「アートのある毎日」を提案。
    ルミネ館内における展示や、暮らしに取り入れやすい作品を揃えたアートフェアの開催など、アートとの自由な出合いの場を創出します。