FASHION
生理期をファッションで快適に。バイオリズムに寄り添う「エミリーウィーク」
2021.07.13
2017年に誕生した「エミリーウィーク」は、生理期を軸に、女性のバイオリズムに寄り添うライフデザインを提案するファッションブランド。オーガニックコットンを用いた肌触りのいいパンティーライナーや心が落ち着く香りのアロマスプレーなど、自分の体調の変化とポジティブに向き合うことをサポートしてくれるアイテムが揃(そろ)います。ブランドに込めた思いを、コンセプターの柿沼あき子さんに伺いました。
機能性とデザインを両立したサニタリーアイテム
生理やPMS(月経前症候群)のイライラや不快感と、もっとうまくつき合っていきたい……。そんな女性たちの思いに優しく寄り添ってくれるのが、「エミリーウィーク」。扱うのは天然素材のサニタリーアイテムやアンダーウェア、バイオリズム別の布製ライナー、アロマブレンドといったオリジナルのアイテムを中心に、デリケートゾーンのケア用品などセレクト商品も。どれも機能が優れているのはもちろん、デザインが洗練されていたり、カラフルだったりと、おしゃれ心も満たしてくれるのがうれしい。
17年に「エミリーウィーク」を立ち上げたブランドコンセプターの柿沼あき子さんも、実はもともと生理期の悩みを抱えていたひとり。かつて新卒で入社した会社でWEBディレクターの仕事をしていた頃、深夜残業が続いて生活のリズムが崩れた結果、毎月の生理痛が重くなるという経験をした。
「ある日、同僚に生理のつらさについて告白したら、みんな口々に『私も!』と。それから生理についていろいろと調べていくうちに、悩んでいるのは私だけじゃなかったんだ、と知りました。同時に湧いてきたのが、生理の話って社会でタブー視されているけれど、それってなんでだろう?という疑問。世の中の多くの女性たちがこんなに困っているのに、問題として表に出てこないのはおかしいんじゃないのかな、と」
17年に「エミリーウィーク」を立ち上げたブランドコンセプターの柿沼あき子さんも、実はもともと生理期の悩みを抱えていたひとり。かつて新卒で入社した会社でWEBディレクターの仕事をしていた頃、深夜残業が続いて生活のリズムが崩れた結果、毎月の生理痛が重くなるという経験をした。
「ある日、同僚に生理のつらさについて告白したら、みんな口々に『私も!』と。それから生理についていろいろと調べていくうちに、悩んでいるのは私だけじゃなかったんだ、と知りました。同時に湧いてきたのが、生理の話って社会でタブー視されているけれど、それってなんでだろう?という疑問。世の中の多くの女性たちがこんなに困っているのに、問題として表に出てこないのはおかしいんじゃないのかな、と」
ブランドコンセプターの柿沼あき子さん。2009年に女子美術大学を卒業後、ベンチャー企業などを経て、14年にベイクルーズに入社。社内新規事業として「エミリーウィーク」を提案し、17年9月に事業化
生理の話をもっとオープンに語れるように
以来、生理の話をオープンに語れるような社会をつくりたいと考えるようになった柿沼さん。それを実現する手段として思いついたのが、生理用品をファッションと結びつける、というアイデアだった。
「サニタリーショーツって当時は下着売り場の奥のほうにひっそり隠されていることがほとんどで、色もデザインも限定的。毎月1週間も使うのに、普通の下着と比べるとファッションとして楽しめない。『生理期をもっと心地よく過ごしたい!』と思っても、これじゃ、気分が上がらないですよね。おしゃれで質が高く、身につけていて気持ちいいサニタリーブランドがあれば、私たち女性の、そして世の中の生理そのもののとらえ方も変わるのではないかと思いました」
さっそく可愛い布ナプキンの試作などにも挑戦したが、社会的なインパクトを見据えると、個人でブランドを立ち上げるのはそう簡単ではない。そこで、新しい価値の創出と提案に積極的なアパレル企業、ベイクルーズに転職。社内の新規事業コンペに応募し、見事採用されたのだった。
「サニタリーショーツって当時は下着売り場の奥のほうにひっそり隠されていることがほとんどで、色もデザインも限定的。毎月1週間も使うのに、普通の下着と比べるとファッションとして楽しめない。『生理期をもっと心地よく過ごしたい!』と思っても、これじゃ、気分が上がらないですよね。おしゃれで質が高く、身につけていて気持ちいいサニタリーブランドがあれば、私たち女性の、そして世の中の生理そのもののとらえ方も変わるのではないかと思いました」
さっそく可愛い布ナプキンの試作などにも挑戦したが、社会的なインパクトを見据えると、個人でブランドを立ち上げるのはそう簡単ではない。そこで、新しい価値の創出と提案に積極的なアパレル企業、ベイクルーズに転職。社内の新規事業コンペに応募し、見事採用されたのだった。
左の二つがリブビスチェ ブラ(¥6,270)とショーツ(¥3,630)、右の三つがブラ for RESET(¥6,050)とサニタリーショーツ(¥3,850)。カラフルなアイテムもある
人にも環境にも優しいオーガニックコットンを採用
オリジナル商品のなかでも特に人気があるのが、定番の「オーガニックコットン アンダーウェア for RESET(フォーリセット)」。肌に触れる部分に「ビオリコットン」というオーガニックコットンをメインにした生地を採用していて、柔らかく、つけ心地がいい。
「ビオリコットン」は、インドとタンザニアのソーシャルプロジェクトから生まれた素材。現地からオーガニックコットンを買い取るだけでなく、その地域で暮らす人々が自立していくためのさまざまな仕組みを構築し、子どもたちへの教育や女性の自立支援にも力を入れている。綿の栽培にはできるだけ環境に負荷を与えず、その工程は第三者認証機関による厳しい検査を受け、認証されたもの。つまり、人にも環境にも優しいオーガニックコットンなのだ。
「ビオリコットン」は、インドとタンザニアのソーシャルプロジェクトから生まれた素材。現地からオーガニックコットンを買い取るだけでなく、その地域で暮らす人々が自立していくためのさまざまな仕組みを構築し、子どもたちへの教育や女性の自立支援にも力を入れている。綿の栽培にはできるだけ環境に負荷を与えず、その工程は第三者認証機関による厳しい検査を受け、認証されたもの。つまり、人にも環境にも優しいオーガニックコットンなのだ。
工場で出た端切れの繊維を集積したリサイクルコットン使用の「リサイクルコットン 2WAYエコバッグ」(¥2,750)も人気。トートとショルダーの2WAYの大きめサイズで使いやすい
生理を我慢せず、自分に寄り添うものを能動的に探す
「自分をケアするアイテムを買うことが結果的に現地の人たちのサポートにつながるというのは、とてもヘルシーなことだと思います。ただ、ビオリコットンを採用しているいちばんの理由は、なんといっても、つけ心地のよさにあるんです」
柿沼さんが語る通り、商品の開発にあたり、いろいろな素材を試してみて個人的にいちばんいいと感じたのが、オーガニックコットンだったという。身につけているとリラックスし、安心感が生まれるせいか、不思議と生理の不快感が気にならないことすらあるとか。
「生理期って『もしも漏れたらどうしよう?』なんて不安もあるし、緊張を強いられることが多いんですよね。でも、本来は身体をゆるめて、リラックスして過ごしたほうがいい時期。生理イコール仕方のないもの、我慢しなくてはならないもの、と受け身の姿勢で諦めるのではなく、自分の心と身体に合う対処法を能動的に探していくことが重要なのだと実感しています」
最近は生理にまつわる問題を社会課題ととらえる動きも少しずつ出てきているけれど、まだまだ理解されにくい部分があるのが現実。でも、生理は私たち女性の健康に関わること。「我慢するのが当たり前」ではなく、「生理期も自分が心地よくいられること」が何よりも大事なのだ。「エミリーウィーク」はそのことに気づかせてくれる。
柿沼さんが語る通り、商品の開発にあたり、いろいろな素材を試してみて個人的にいちばんいいと感じたのが、オーガニックコットンだったという。身につけているとリラックスし、安心感が生まれるせいか、不思議と生理の不快感が気にならないことすらあるとか。
「生理期って『もしも漏れたらどうしよう?』なんて不安もあるし、緊張を強いられることが多いんですよね。でも、本来は身体をゆるめて、リラックスして過ごしたほうがいい時期。生理イコール仕方のないもの、我慢しなくてはならないもの、と受け身の姿勢で諦めるのではなく、自分の心と身体に合う対処法を能動的に探していくことが重要なのだと実感しています」
最近は生理にまつわる問題を社会課題ととらえる動きも少しずつ出てきているけれど、まだまだ理解されにくい部分があるのが現実。でも、生理は私たち女性の健康に関わること。「我慢するのが当たり前」ではなく、「生理期も自分が心地よくいられること」が何よりも大事なのだ。「エミリーウィーク」はそのことに気づかせてくれる。
ニュウマン横浜のショップは、現在、関東エリアで「エミリーウィーク」の商品を取り扱う唯一の店舗。「今後はさらに視野を広げ、リクエストの多いおしゃれなマタニティーアイテムも開発していけたら」と柿沼さん
■EMILY WEEK
https://ew.baycrews.co.jp/
>> ルミネ・ニュウマンのショップはこちら
※本記事は2021年7月13日に『telling,』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。
Text: Kaori Shimura Photograph: Ittetsu Matsuoka Edit: Sayuri Kobayashi
https://ew.baycrews.co.jp/
>> ルミネ・ニュウマンのショップはこちら
※本記事は2021年7月13日に『telling,』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。
Text: Kaori Shimura Photograph: Ittetsu Matsuoka Edit: Sayuri Kobayashi