Tachikawaspecial Special edition

vol.1 立川市文化財保護審議会会長
白川重敏さん

記念すべき第1回は、
生まれも育ちも立川で、
立川の歴史を熟知する
立川市文化財保護審議会会長の
白川重敏さんに、立川市歴史民俗資料館にて
お話を伺いました。

Interview 1知っておいてほしい
立川の歴史は?

かつては軍都であり
基地があったことです。

現在の昭和記念公園は、戦前は陸軍航空隊の基地、戦後はアメリカの空軍基地でした。北口の砂川へ抜ける道路・中央南北線が一直線なのも、滑走路だったからなんです。また、多摩信用金庫 本店の脇にある大きなヒマラヤ杉のあたりには米軍立川基地の正門がありました。そういった歴史が今の街にも大きく残っています。

Interview 2この街はどのように
発展していったのですか?

鉄道の開通や
立川飛行場の開設が
大きいですね。

明治22年の新宿から立川への甲武鉄道(現在の中央線)の開通や、大正11年の立川飛行場の開設が大きいですね。当時、地元の有力者達が誘致活動を行い、蒸気機関車に必要な水も生活用水から提供することで立川駅が開業しました。新宿・立川間は山や川、民家などがなかったため、線路がほぼ一直線に敷設され、1年足らずで完成。甲武鉄道の開通によって立川は多摩地区の交通の中心地となり、大きく発展を遂げることができたんです。

Interview 3立川でぜひ見てほしいものは?

根川緑道の桜や
国宝の六面石幢。

立川は自然も大きな魅力ですね。私のお気に入りは南にある根川緑道の桜並木。春はとってもキレイで私の携帯にも写真がいっぱいありますよ。他にも立日橋からの富士山の眺めも良いものです。また文化財では柴崎町の玄武山普濟寺の六面石幢。国宝にも指定されている、仁王像と四天王像が彫刻された我が国の石幢を代表する貴重なもので、今は保存修理中のため見られないですが、歴史民俗資料館ではレプリカが見られます。

Interview 4立川の文化といえば何でしょうか?

代表するものの
ひとつは映画です。

文化と言っても捉え方ではありますが、立川を代表するもののひとつに「映画」があると思います。かつて立川には、東映、松竹、日活など、立川駅の北口、南口に合わせて14の映画館があり、映画の街とも呼ばれていました。北口のシネマ通りもそこから由来しています。今は南口にあった映画館は全てなくなりましたが、北口にあった映画館は再編統合され、シネマ1・2として営業しています。

Interview 5これからの立川の発展に
不可欠だと思うことは?

まず大人が地元の
歴史を知ること。

立川は多摩地区で最大の商業都市ですが、今後発展していくためには、私たち大人が足元の歴史や文化を知り、大切にしていかないといけないと思います。そのためにも、博物館ができること、歴史・文化を発信するイベントが活性化されること、などを期待していたいです。

profile

立川市文化財保護審議会会長
白川重敏さん

1955年、東京都立川市に生まれる。明治大学 文学部 史学地理学科 日本史学専攻卒業後、神奈川県内の公立高等学校で40年間勤務。現在は、神奈川大学 国際日本学部 歴史民俗学科特任教授であり、立川市文化財保護審議会会長も務めている。

about

立川市歴史民俗資料館
東京都立川市富士見町3-12-34TEL. 042-525-0860
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