Tachikawaspecial Special edition

vol.4 第一花き 総務
田先仁美さん

セリ人のサポートや教育・SDGs事業など、
花の流通に関わる環境づくりに
取り組む田先さん。
立川で働くのは2度目という彼女に、
セリの魅力や立川への想いを伺いました。

Interview 1「第一花き 立川市場」とは、
どんな場所でしょうか?

小規模ながらも
活気が溢れる、
伝統的な花の市場です。

切花や植木を専門に扱う地方市場です。セリ人と買い手(花屋など)がかけ声とハンドサインで直接やりとりする「手ゼリ」という伝統的な方法で、朝7時から売買をしています。元々立川市場は他の会社が1952年から運営をしていましたが、相談を受けて第一花きが事業継承することに。そのタイミングで2016年、設備も新たに改めて開場。歴史がありながらも新しい市場なんです。

Interview 2セリ人は売買以外に
どんなことをしているのですか?

生産者、花屋、
花の状態など
すべてのバランスを
取っています。

セリ人の仕事は大まかに言うと生産者から商品を仕入れて大体の価格を決め、買い手に売ること。これはシンプルなようで、実はコミュニケーション力や先見の明が不可欠。仕入れる品種や数量は馴染みの買い手の状況を元に、価格は商品の状態に加えて、生産者との会話から今後の状況を踏まえてバランスを取りながら決めています。アナログなやり方ですが、様々な状況を柔軟に判断できる経験値と人への想いやりこそ、この仕事は重要なのです。

Interview 3ずばり、手ゼリの魅力を
教えてください。

なんと言っても、
スピード感とライブ感。

ひとつの花に掛かる時間は1分にも満たないほどですが、セリ人が商品を手に掲げ、威勢の良い声が響き、買い手の「手の合図」で値段が瞬時に決まっていく様子は圧巻です。第一花きの Facebook に動画が上がっていますので、ぜひ観てみてください。また、買い手にとっては、前もってセリ落とすと決めていた花以外にも、珍しい品種や予想以上に安価なものなどと、偶然の出会いがあるのも魅力だと思います。

Interview 4花を通した教育にも
力を入れているそうですが、
いったいどのようなものですか?

命の尊さや
自己肯定感を
感じてもらう
「花育」を
行なっています。

ガーベラの花とハランの葉を使い、ガラスの花瓶に活けるという簡単なプログラムを行なっています。花や葉は枯れるもの。植物に触れることで、限りある命を今どうしたらいいのかを考えるきっかけにしたいと思っています。また、活け方に正解はなく、渡される花や葉の表情も一本一本異なります。モノや情報に溢れ、調べれば何とかなってしまう現代だからこそ、考える力やありのままを認める力をつけて「自分はこれで良いんだ」という自己肯定感を味わってほしいですね。

Interview 5立川で働くのは2度目だとか。
改めてこのエリアに感じることを
教えてください。

どんな人も
自分らしく
心豊かに
暮らせる街ですね。

都心でも数少ない花の生産地であり、ガーデニング需要も高い立川。霊園や寺社も多いことからも、暮らしに花を添え、心の豊かさを大切にする文化が根付いていると感じます。以前はルミネ立川の中で働き、今は駅から少し離れた場所で働いていますが、ひとつの街でこんなに雰囲気が違うのかと驚きました。賑やかな非日常と落ち着いた日常が程よく共存していて、どんな人ものびのびと自分らしく暮らせる街だなと思います。

profile

株式会社第一花き 総務
田先仁美さん

立川や北足立、柏の花市場を運営する株式会社第一花きにて、PR活動やマネジメント、新規事業などあらゆる業務を担当。第一花きに転職する前はルミネ立川で働いていたことも。プライベートでは2人のお子さんのお母さん。

about

第一花き
立川地方卸売市場
東京都立川市西砂町5-8-2 
TEL. 042-520-5322
HP