Tachikawaspecial Special edition

vol.5 ファーレ倶楽部 会長
松坂幸江さん

立川駅の北側、109点ものパブリックアートが
並ぶ「ファーレ立川」。
このアートを守り
続ける「ファーレ倶楽部」会長 松坂さんに、
立川の街づくりとアートとの関わりや
活動内容について伺いました。

Interview 1ファーレ立川アートは
どのようにして生まれたんですか?

立川の都市開発の一貫。
テーマは
「アートの森」です。

1994年、米軍基地跡地に立川の都市開発としてアートをテーマに生まれました。日本を代表するアートディレクター北川フラムさんによって「世界を映す街」「機能を美術に」「驚きと発見の街」の3つのコンセプトが立てられ、36か国92人の作家による109点のアートが設置されました。北川さんはこの街を「森」と見立て、作品は森に息づく「妖精」と仰っています。作品によっては見つけにくい場所にありますが、それを探すのも楽しさのひとつです。

Interview 2ファーレ倶楽部の
活動内容を教えてください。

アートを楽しんで
もらうための
ツアーや取材対応、
作品の美化。

ツアーはガイドが一緒にファーレ立川を歩いて、作品について解説していきます。何気なく見るのと、背景やエピソードを知って見るのとでは楽しさが全然変わってくるので、大人から子どもまで参加してほしいです。最近では取材依頼も増えて、遠方から訪れる方も多くいらっしゃいます。アート作品の清掃は、市の委託を受けて、私たち会員と一般の方々もお誘いして皆さんと一緒に行い、 作品の美化に務めています。

Interview 3アートツアーを行ううえで、
心がけていることは?

一緒に面白がること、
多くの想いを
つなぐこと。

参加者の方と楽しく散策したいと思っています。作品の感じ方は皆さん違うので、感想を伺いながら歩くのはとても面白いです。特に子どもたちが作品を見て、びっくりしている姿は最高です。夜は点灯する作品も多く、夜ならではのアート散策も素敵です。また、ファーレ立川がつくられた当時のエピソードのお話もします。この街に込められた多くの想いをつないでいくことも大事な役割だと思っています。

Interview 4松坂さんが好きな作品は
何ですか?

落ち着いたひと時が
過ごせる「瞑想の壁」。

好きな作品はたくさんあります!ただ、ひとつ挙げるとすれば、自分自身と向き合い、今この瞬間を体験することを提案した、マリナ・アブラモヴィッチ作の《黒い龍ー家族用》瞑想の壁。天然石のローズクォーツに額と身体を当て、瞑想をするんです。忙しい私たちに立ち止まる時間を与えてくれる作品。私は題名の中の「黒い龍」を「はてしない物語」の本の中に出てくる龍に重ねて、自由に空を飛んでいる事を想像しています。

Interview 5立川の未来に向けて、
今の想いをお聞かせください。

活動をつなぎ、
アートを守りながら
立川の良さを
発信していきたい。

ガイドの高齢化も進んでいるので、若い世代にこの活動をつないでアートを守っていきたいですね。かつて小学校の授業でツアーに参加した子の親が、ファーレ立川のアートを知って入会し、ガイドとして活動しています。また、このアートボランティア活動を通して知り合 った魅力的な近隣の方々や商店の方々もいらっしゃいます。このファーレ立川という場所を活かして、皆さんと一緒に様々なイベントを行い、 街の魅力を常に発信できれば良いなと思っています。

profile

ファーレ倶楽部 会長
松坂幸江さん

ファーレ倶楽部発足時からのメンバーで、2018年に前会長 中島満喜子さんからの依頼で会長に就任。ツアーガイドでは、座ったり、触ったりという体験や、びっくりしていただける作品を紹介しながら、驚きと発見があるアートの楽しさを伝えている。

about

ファーレ倶楽部
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