映画「PARKS」やNHK連続テレビ小説「まれ」、女優やミュージシャン、『装苑』『spoon』などの雑誌や広告……。幻想的でありながらかわいくてリアル、自由な発想でスタイリングを手がける髙山エリさん。10月22日(日)にはLUMINE ZERO MARKETにブースを出展、同時開催のCLASS ROOMでは講師として登場します。それに先立ち、インタビューではファッションを自由に楽しむためのヒントをうかがいました。場所は、髙山さんがウィメンズのセレクトを監修する表参道のセレクトショップ「ハウス@ミキリハッシン」で。SNS時代のファッション論をどうぞ。

みんなおしゃれで、みんな似ている。

私、ついこの間Instagramを始めたんですよ。スマートフォンを去年の冬に持ちはじめて、今年の3月からLINEを始めて。「髙山が現代に追いついてきた」ってみんなに言われたんですけど(笑)。でも、かたくなに新しいものを取り入れないというわけではなくて、どれも、たまたま始めるきっかけがあったんです。

Instagramを始めたのは、「CLEANA」というレーベルと一緒につくったスカートの受注会をすることになって、マネージャーに「そろそろインスタじゃないですか?」って言われて納得したから。このスカート、フリルがついていて履くとお尻がプリンってなるんですよ。私、昔のドレスがすごく好きで、このスカートもそこから発想してつくって、フリフリなんです。

何の話でしたっけ?(笑) そうそう、今、みんな知らないうちにSNSに振り回されているんじゃないかなって思うんです。個人が発信できるという自由はあるし、みんなおしゃれだなって思うけれど、ある意味では、以前よりも自由度は失われている気がしていて。ファッションのジャンルって以前はもっと明確に分かれていて、赤文字系やギャル、いろんな“部族”がいたのに、最近はどのファッションビルを見ても同じような服しかなくて、みんな同じ着こなしが多いなって。

自分にとって本当に大切なことは何か。

そもそも、最近、浮いている人ってほとんど見かけませんよね。それは他人の目を気にしすぎているからだと思います。なのに、食事中にずっとスマートフォンを触っていたりするでしょう? 子どもの頃に、テレビを見ながら食べちゃダメよって言われていたじゃないですか。いや、私もお蕎麦屋さんでは週刊誌を読んじゃうんですけど(笑)。

どう見られるかを気にしているのに、大事なところが抜けちゃっていて、気にするところが違うなぁ、と思うんです。私は電球を替えられないとかワインのコルクが抜けないとか、服のこと以外はできないことがいっぱいあるんです。でも、ひとつだけ、これだけは譲らないというものはたぶんあって。

人からどう見られているとか小さいことを考えてもしょうがないけど、人を不愉快にさせたくないと思うし、TPOを守らなきゃって思うんです。少なくとも、母親のいいつけを守っていれば大丈夫って思っていて。それさえ守っていれば、自分の好きなように、ハッピーになるためにはどうすればいいかを考えて動けばいい。それだけをしてきました。

好きなものを身に着けないともったいない。

私の場合はちょっと特殊だと思うんです、服に対しての執着が。それ以外は何もいらないくらい。でもマンガも好きだし、まずいものは食べたくないし。リンゴが好き、ハンバーグが好き、服が好き、それだけなんですけどね。要は、何も考えていないんですよ。気になったら見に行って、なんか違うな、好きだなって、見て触って確認するという作業を素直にやっているだけ。

私のスタイリングも、ものすごいファッショニスタっていう感じではないと思っていて。よく真似できそうって言われるくらい(笑)。でも、いいなと思っても、「私の体型だとこの服は似合わない」「この色をどうしても合わせたい、じゃあどうしよう」ってやっていくのが楽しいわけじゃないですか。だから、単純に真似をすることはできないと思うんです。

自分が身に着けるものや身の回りに置くものは、自分の好きなもの、自分らしいものじゃないともったいない。「無難だから」とか「みんなが着ているから」「あの人が身に着けていたから」という考えで服を選ぶのは、自分を蔑むことだと思う。失敗してもいいんですよ。私なんか失敗だらけ。毎日、時間を間違えていますから(笑)。

私だけのミックススタイルを楽しもう

私だけのミックススタイルを楽しもう

講師:髙山エリ(スタイリスト)

雑誌や映画など幅広い分野で活躍するスタイリストの髙山エリさんに、ファッションを自由に取り入れ、自分だけのミックススタイルを楽しむヒントをご紹介いただきます。当日イベント会場では髙山さん自身による「ファッション相談室 スナックたかやま」ブースも開催。髙山さんといっしょに新しいスタイルづくりのきっかけを探してみませんか。

日時
2017年10月22日(日)11:00~12:30
会場
ルミネ ゼロ(ニュウマン新宿 5F)
行き方
ルミネ ゼロ アクセスページへ
参加費
無料
定員
なし
※お席に限りがありますので、立ち見になる場合がございます
同時開催
LUMINE ZERO MARKET
イベントページへ

髙山エリ(スタイリスト)

文化服装学院卒業後、2007年よりフリーのスタイリストとして活動。2015年にはNHK連続テレビ小説「まれ」の衣装スタイリングを担当し、雑誌やMV、広告、映画など活動は多岐に渡る。2016年からはセレクトショップ「ハウス@ミキリハッシン」にてウィメンズのセレクトを監修する。
【ウェブサイト】http://takayamaeri.com