ぼくの映画の楽しみ方
これもひとつの映画の楽しみ方!? 「3D」ならぬ、「FREE D」。
授業のあとのケータリングを担当してくれたのは、有坂さんとも旧知の仲、holidayのアートディレクター・堀出隼さんと料理人の堀出美沙さん。用意されていたのは映画のスクリーンを模したウッドパネル。「FREE D」と名付けられた今回のメニュー、そのこころは?
この日は、料理を担当した美沙さんに代わって、隼さんがフードの説明をしてくれました。
「人と人とのコミュニケーションを取り入れたり、有坂さんの、映画を自由に楽しんでいるところがすてきだなって思っていて。映画の最新技術で3Dというのがありますが、有坂さんのやり方は、3Dでも太刀打ちできない『FREE D』なんじゃないかって……。ダジャレです。すみません」
「『スクリーンから飛び出すフード』をテーマに、有坂さんも大好きなひき肉が入った『ホワイトソースで煮込んだミートボール付きクスクス、ポップコーンが入っていそうな容器添え』を。みなさん、ぜひ召し上がってください」
スクリーンから飛び出した堀出さん、カップに入ったメニューを、一人ひとりにサーブしていきます。クスクスのほか、パネルの前には「レンズ豆サラダバゲット添え」と「バナナケーキ」もスタンバイ。規則正しく並べられた様子は、スクリーンの前の観客席をイメージしたもの。
ストライプの紙コップを手にしていると、たしかに映画館にいるような気分に。ちなみにみなさん、お名前と好きな映画を3本書いたシールを胸に貼っています。これは、交流会で会話が弾むようにという、有坂さんのアイデア。
こちらが、映画おみくじ。「フィツカラルド」「プロジェクトX」「山椒大夫」(左)、「ずっとあなたを愛してる」「魔法にかけられて」「マザーウォーター」(右)など、書かれた映画のタイトルは、すべて異なっているそう。
「撮られるの、苦手なんですよ」と照れながら、スクリーンの中から有坂さんによる締めのごあいさつ。
「淀川長治さんという映画評論家は、映画の100年とリンクした人生を送った、まさに映画の生き証人でした。厳しさもありながら、映画を全肯定していた、僕の大好きな人です。映画を観る時間が減っている今、彼のように『この人と話をしていると映画が観たくなる』っていう人が全国各地に増えると、もっと映画の世界も盛り上がるのかなと思っています。ぜひみなさんにもその一翼を担っていただければと……ってこんなまじめなことをここで話していると、ちょっとシュールですね(笑)」
最後の記念撮影は、映画でおなじみの、あのかけ声を全員で。「よーい、スタート!」。