Fab入門
おいしい料理をファブしたら、こんな感じになりました
渡辺さんの話に刺激され、創作意欲が高まったみなさんを待っていたのは、なんとファブ体験ができるケータリング。とはいえ、いわゆる3Dプリンタでチョコやクッキーを出力するわけではありません。その、ちょっと変わった演出とは……?
今回のケータリングを担当してくれたのは、「エプロンズ」の金子由佳さん(右)と、金子さんとともに「rism」というユニットで活動する山口恵美さん(左)。
「私たちは、食事にまつわる不思議なことや疑問を、料理で解決するという活動をしています。たとえば、じゃがいもが惑星の形に似てたり、ブロッコリーなんてほとんど同じ形の鉱石があったり。お皿から宇宙まで視野を広げると、面白いことがいっぱいあるんです」(山口さん)
「今回はファブリケーションがテーマだったので、私がエプロンズとは別に活動している『rism』のメンバーに来てもらいました。みなさんに素材を集めていただいて、私たちという“機械”を通すとお料理が完成します。なので、エセ研究者風の格好をしてきました(笑)」(金子さん)
まずは、渡辺さんが手順を披露することに。
「お皿の上に、それぞれ野菜をひとつずつ集めてください。全部で9種類あります。ちょっとお時間がかかるんですけど、その時間も楽しんでいただければと思います」(金子さん)
素材を受け取ったおふたりが“機械”役になって、料理をスタンバイ。そしてワンプレートにセットした料理を“出力”すると……。
はい、完成! ビーツのポタージュに紫キャベツと赤たまねぎのピクルス、ドイツパンにアンチョビのパテ、三色のにんじんを使ったブロックサラダ、ひよこ豆のファラフェル……。集めた9種類の素材が、それぞれ料理になっているというわけ。
「コンセプトは『お皿の上にフルコースをつくる』。9種類の素材は、炭水化物ばっかりだと嫌だから葉野菜を入れようとか、バランスを考えて。一皿にどう盛るのかというところまで考えて、色とか形が面白いものを選びました。」(山口さん)
交流会では、3Dスキャナーの体験も。左手に持っているのがスキャナー、これを手にぐるりと一周すれば、パソコンに3Dモデリングデータが送られるという仕組み。実は5万円程度と個人でも手の届く価格になってきているそうです。
最後は、全員揃って、ファブの「F」ポーズで記念撮影。
「ファブの広がりをちょっとでも感じてもらえたら、今日ここに来たかいがあったなって思います。私たちはラッキーなことに、ちょうど時代の転換期にいるんだ、ということをぜひ楽しんで捉えてくださいください。今日はありがとうございました!」