自分の価値観を磨くモノ選び
テーマは「旅」
10月講座の交流会には、引田さんのリクエストに沿って「旅」というテーマの料理を恵比寿・カフェパークが用意しました。そのテーマに、CASICAで大事にされている「変化していくもの同士の今の価値観を空間に可視化すること」や「意外性のある組み合わせ」を見せることを掛け算した料理を楽しみつつ、参加者との親睦を深めました。
1品目はバーニャカウダ。料理人が深い思い入れを持つ神奈川県湘南平から見た、緑豊かな海岸線をイメージした料理です。しっかりした味付けのソースでしたが、野菜の食感を味わった後に味がスッキリ消えて、次の野菜をまた口に運びたくなる一品でした。
2品目は栗の春巻きとフランボワーズのリゾット、そして牛肉のロティです。意外性のある食材を一つひとつの料理に仕上げました。栗の春巻きにはバルサミコ酢が合わさり、甘みを深めています。口に入れるとフランボワーズの風味が鼻孔まで届くリゾットとトリュフが香る牛肉のロティは、一緒に食べるとファンタジックな世界の一員になったような、未体験の味わいを感じられて、食べることが楽しいと思えました。
3品目は鴨と梨のスモーク。参加者が料理を取る目前までスモークしていた鴨と梨に、マンゴーソースを絡めていただきました。スモークの風味、鴨肉に梨とマンゴーのフルーティーな味覚が重なって、1品でいくつもの料理を食べたような満足感でした。
最後はおばざいとわらび餅です。これまでの料理が新しい地域をめぐる旅なのだとしたら、これは日本に帰ってきた安堵感をくれる料理でした。ドキドキ、ワクワクした食の旅も、おばんざいとわらび餅がやさしく包み込んでくれて、日常の食の魅力をもう一度思い出させてくれました。
楽しい食事と親睦の時間はあっという間に過ぎます。最後に引田さんの挨拶を聞いて、10月講座も幕引きです。
みなさんの真剣な空気に緊張しましたが、私も背筋を伸ばして、これからも頑張っていきたいなと思えました。今日はありがとうございました。