FASHION
ストレートに愛を伝え、既成概念を軽やかに超えていく
2023.10.05
「ニュウ、○○○○○」というキャッチコピーを掲げ、既存のネガティブな概念をポジティブに再定義してきた2023年のニュウマン広告。その集大成ともいえる、冬のシーズンビジュアルができました。大切な人に気持ちを伝えたくなる季節にぴったりの、普遍的な愛と正面から向き合った“ニュウ”な表現。シリーズを通して制作を担当するSIMONEのクリエイティブディレクター・渡辺琢磨さんに、ビジュアルに込めた想いや撮影時のエピソードを聞きました。
まっすぐにいくことが、逆に新しい
1年の締めくくりとなる、今回のシーズンビジュアルで打ち出すメッセージは「ニュウ、ロマンス」です。「エスケープ」「ナルシズム」「コントロール」という、これまで再定義してきたワードとは少し違う印象のコピーに、どのようにしてたどり着いたのでしょうか。
「冬はホリデイシーズンでもあり、1年のなかでも家族や恋人や友人など、大切な人と過ごしたい、愛を伝え合いたい気持ちが高まる季節だと思います。2023年のシーズンビジュアルでは、ネガティブな印象を持つワードをアップデートすることで本質的な価値を発信してきましたが、今回の『ロマンス』はポジティブなイメージを持つ言葉。冬というポジティブなムードが漂うこの季節に、春から秋にかけて自分たちがやってきたことをも軽やかに覆し、まっすぐに本質に迫るというアプローチをすることにしたのです」
人との距離が離れて内省的にならざるを得ない時期を過ぎ、人とのつながりが物理的にも戻った今、「ロマンス」というキーワードはタイムリーだと渡辺さんはいいます。人々のライフスタイルが多様化し、数年前とは比べものにならないくらいさまざまなツールを使いこなすようになったわたしたち。愛を伝える手段も人それぞれです。そんな今の愛の伝え方について、制作チームは「まっすぐにいくことが、逆に新しい」という視点を打ち出しました。
「世界が広がって選択肢がいろいろあるからこそ、本質を見直し根源的なところに立ち返ることも大事だと思っています。今回はみんなでアイデアを出し合い、結局『愛してる』とストレートに言うのが一番伝わるんじゃないかということになりました。『愛してる』という言葉は、なににも変えがたい強さや素敵さを持っています。これまでのように言い換えたりするのではなく、本来の意味と言葉でまっすぐに伝える。よりシンプルにストレートにという新たな方向性で制作を進めていきました」
「冬はホリデイシーズンでもあり、1年のなかでも家族や恋人や友人など、大切な人と過ごしたい、愛を伝え合いたい気持ちが高まる季節だと思います。2023年のシーズンビジュアルでは、ネガティブな印象を持つワードをアップデートすることで本質的な価値を発信してきましたが、今回の『ロマンス』はポジティブなイメージを持つ言葉。冬というポジティブなムードが漂うこの季節に、春から秋にかけて自分たちがやってきたことをも軽やかに覆し、まっすぐに本質に迫るというアプローチをすることにしたのです」
人との距離が離れて内省的にならざるを得ない時期を過ぎ、人とのつながりが物理的にも戻った今、「ロマンス」というキーワードはタイムリーだと渡辺さんはいいます。人々のライフスタイルが多様化し、数年前とは比べものにならないくらいさまざまなツールを使いこなすようになったわたしたち。愛を伝える手段も人それぞれです。そんな今の愛の伝え方について、制作チームは「まっすぐにいくことが、逆に新しい」という視点を打ち出しました。
「世界が広がって選択肢がいろいろあるからこそ、本質を見直し根源的なところに立ち返ることも大事だと思っています。今回はみんなでアイデアを出し合い、結局『愛してる』とストレートに言うのが一番伝わるんじゃないかということになりました。『愛してる』という言葉は、なににも変えがたい強さや素敵さを持っています。これまでのように言い換えたりするのではなく、本来の意味と言葉でまっすぐに伝える。よりシンプルにストレートにという新たな方向性で制作を進めていきました」
リアリティを追求し直球で勝負する
雪の舞う夜、柔らかな明かりが灯るカフェで、できたての温かい料理を頬ばる菊地凛子さん。ムービーでは、ニュウマンのシーズンビジュアルとしてはこれまでにないくらいの日常感やリラックスした空気が画面に流れます。これも冬というホリデイシーズンに対する素直でストレートなアプローチです。
「秋までは、どちらかというと非日常性が強かったり、ドラマチックあるいはエモーショナルな演出も取り入れてきましたが、このムービーではごく日常的なワンシーンをつくり出しました。日常のなかで凛子さんが愛について考えている風景を、リアルな表現として伝えたかった」と渡辺さん。過度な演出を取り払う一方で、人や物が動くタイミングなど画面のなかの情報を緻密にコントロールし、リアリティをとことん追求したといいます。
「音楽もホリデーシーズン感のあるものを使い、あえて王道に正面から向き合いました。みんなが共感できる季節感のあるシチュエーションだからこそ、メッセージが生きてくると思いますし、そこにいるのが凛子さんだからこそ、ファッション性やモダン性が担保されると考えました」
「秋までは、どちらかというと非日常性が強かったり、ドラマチックあるいはエモーショナルな演出も取り入れてきましたが、このムービーではごく日常的なワンシーンをつくり出しました。日常のなかで凛子さんが愛について考えている風景を、リアルな表現として伝えたかった」と渡辺さん。過度な演出を取り払う一方で、人や物が動くタイミングなど画面のなかの情報を緻密にコントロールし、リアリティをとことん追求したといいます。
「音楽もホリデーシーズン感のあるものを使い、あえて王道に正面から向き合いました。みんなが共感できる季節感のあるシチュエーションだからこそ、メッセージが生きてくると思いますし、そこにいるのが凛子さんだからこそ、ファッション性やモダン性が担保されると考えました」
じんわりと温かい気持ちで満たされるムービーとは対照的に、クールな印象すら抱かせるスチールのビジュアル。モノクロの写真に「ニュウ、ロマンス」のコピーが潔く配置され、シンプルだからこそ菊地さんの視線やポージングが見る人の目を惹きつけます。
「たくさんの情報を盛り込めるムービーでは、日常の凛子さんの様子や気持ちをリアルに切り取ってストーリーを表現しましたが、一枚絵であるスチールでは画面自体にパワーを持たせるという少し違うアプローチをしました。強いライティングやモノクロの効果でファッション性を高めるとともに、文字色にはあえて寒色であるブルーを採用。そのクールな世界観のなかに『ロマンス』という甘いワードや凛子さんの柔らかな表情や佇まいが共存しています。そうしてつくりあげたギャップによって既成概念を裏切り、キャンペーンビジュアルとしての訴求力を高めていこうという狙いがありました」
「たくさんの情報を盛り込めるムービーでは、日常の凛子さんの様子や気持ちをリアルに切り取ってストーリーを表現しましたが、一枚絵であるスチールでは画面自体にパワーを持たせるという少し違うアプローチをしました。強いライティングやモノクロの効果でファッション性を高めるとともに、文字色にはあえて寒色であるブルーを採用。そのクールな世界観のなかに『ロマンス』という甘いワードや凛子さんの柔らかな表情や佇まいが共存しています。そうしてつくりあげたギャップによって既成概念を裏切り、キャンペーンビジュアルとしての訴求力を高めていこうという狙いがありました」
ポジティブなエネルギーが集結したものづくりの現場
シリーズを通して垣間見ることのできる菊地さんのチャーミングな一面や、クリエイターとしてのものづくりへの妥協のない姿勢は、今回の撮影現場でも際立っていたと渡辺さん。
「シーズンビジュアルの現場は毎回コミュニケーションにあふれ、いい雰囲気で撮影を進めることができました。時代に合わせて女性へのメッセージを発信するというこの企画に、凜子さんもとても積極的にエネルギーを注いでくださったと思います。今回のムービーでは窓に指でハートマークを描くシーンがあり、手元だけが映るかたちだったのですが、それもご自身で何度もトライしてくださいました」
「シーズンビジュアルの現場は毎回コミュニケーションにあふれ、いい雰囲気で撮影を進めることができました。時代に合わせて女性へのメッセージを発信するというこの企画に、凜子さんもとても積極的にエネルギーを注いでくださったと思います。今回のムービーでは窓に指でハートマークを描くシーンがあり、手元だけが映るかたちだったのですが、それもご自身で何度もトライしてくださいました」
画面の端々まで細やかな配慮やつくり手たちの想いが込められた、2023年冬のシーズンビジュアル。気持ちが温かくなる30秒間のリアリティの舞台裏を想像してみるのも楽しいかもしれません。
「この数年忘れかけていたようなウィンターシーズンのムードや気持ちを思い出し、わくわくするようなシーズンビジュアルになったと思います。愛の伝え方や表現は人それぞれですが、シンプルでまっすぐな言葉で伝えることのすばらしさに触れていただけたら。そして、純粋に『好き』『かわいい』『愛らしい』という、本来持っているポジティブな気持ちが、じわっと滲み出てくるような感覚を味わってもらえたらうれしいです」
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Creative Director:Takuma Watanabe(SIMONE INC.)
Art Director:Mayuko Ishida(SIMONE INC.)
Movie Director:Takayuki Haga(UW INC.)
Producer:Fumika Ochi(SIMONE INC.)
Production Manager:Marin Kanda(SIMONE INC.)
Actress:Rinko Kikuchi
Photographer/DOP:Yusuke Miyazaki(SEPT)
Camera Chief:Akio Fujita
Stylist:Tamao Iida
Hair:Yusuke Morioka(eightpeace)
Make:Asami Taguchi(HOME AGENCY)
Set Designer:Mamoru Hinata
Retouch : VITA INC.
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