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LUMINE AGRI PROJECT

季節の“おいしい”をちょっとずつ。全国の生産者から集めた「いろどりくだもの」

2021.03.26

ルミネが“農業”をテーマに食文化を提案するLUMINE AGRI PROJECT。
新宿駅でのマルシェや食のワークショップ、WEB STOREでの農作物の販売などを通して、全国のおいしいものを届けるとともに、生産者や産地とつながるきっかけづくりを行ってきました。今回は、WEB STOREで販売しているルミネセレクトのくだもの詰め合わせ「いろどりくだもの」について紹介します。

2021年5月の「いろどりくだもの」。※写真はイメージです

くだものと出会い、味わうことをライフスタイルに

「いろどりくだもの」は、LUMINE AGRI PROJECTが月1回、WEB STOREで販売。“いいものを、ちょっとずつ”をテーマに、3つ以上の地域でつくられた5〜6種類前後のくだものを、ひとつずつ詰め合わせたセットです。

セレクトで大事にしているのは、旬のものであること。お届けする季節に一番おいしくなるくだものを、全国のこだわりの生産者さんたちのご協力いただき集めています。
それから、ちょっとめずらしいものも多く選ぶようにしているそう。LUMINE AGRI PROJECTのメンバーは、プロジェクトを通してたくさんのくだものに出会ってきました。なかには、「こんなにおいしいものがあったんだ!」と驚くようなものも。そのときに感じた喜びやワクワクする気持ちを、みなさんにもシェアできたらという想いを込めています。

かわいらしくて香り豊かなくだものは、食卓に並べるだけで気持ちが華やぐはず。「今日はどれを食べようかな」と迷う時間も楽しいものです。
くだものから四季の恵みを感じる。食べたことのない品種を、お試し感覚でひとついただいてみる。「いろどりくだもの」を通して、楽しみながらくだものを味わうことがライフスタイルの一部になっていきそうです。

そしてもうひとつ、LUMINE AGRI PROJECTでは生産者さんの顔が見えるようにすることも大切にしています。
今回、2021年5月の「いろどりくだもの」に入っている広島レモンの生産者、稲角農園の稲角大地さんにお話を伺いました。瀬戸内海に浮かぶ島のひとつ、広島県生口(いくち)島で柑橘を育てている稲角さん。農業への想いや、栽培するうえでのこだわりについて語っていただきました。

稲角さんご一家。一番右がお話を伺った大地さん。

丁寧な手作業の積み重ねが、おいしさをつくり出す – 生産者・稲角大地さんインタビュー

この島には、柑橘が豊かに育つ条件がそろっている

稲角農園は代々続く柑橘農家で、僕が4代目です。家のまわりは全部が畑。そういう環境で育ってきたので、子どもの頃から自分もいつかは農業をやりたいなと思っていました。

一度島を出て大学の農学部に進学し、卒業後は勉強のために野菜やくだもの、食品の宅配を行っている企業に入り、バイヤーを務めました。今LUMINE AGRI PROJECTに関わらせていただいているのは、そのときの仕事で出会った方がきっかけだったりします。

その後、実家に戻って稲角農園の仕事を始め、現在は僕と妻、両親の4人で農園を切り盛りしています。
瀬戸内にあるここ生口島は1年中暖かく、柑橘の栽培にぴったり。島を囲っている海、つまり「水」は冷めにくく、その恩恵で夜も気温が下がりにくいんです。柑橘は寒さに弱いので、寒い地域だと収穫は年内に終えることが多いですが、島では冬の間も収穫できる。5月ごろまでずっとなにかしらの柑橘を収穫し続けています。言い換えればずっと手入れ、収穫、選別、出荷などの作業が重なっている状態なので、みんなで協力し合い、パートさんたちの手も借りながら、なんとか乗り切っています(笑)。

甘くてまろやかな広島レモン

これまで、「いろどりくだもの」には広島レモンやはっさくを入れていただきました。特にレモンは、生口島がレモンの生産量が日本一ということもあっておすすめです。レモンは柑橘のなかでもすごく寒さや病気に弱いので、暖かくて風があまり当たらないところじゃないと作れないんですよね。生口島は両方の条件を満たしていて、昔からレモンの栽培が盛んでした。

外国産のレモンが入ってきて国産レモンが下降気味になっていった時代も、島をあげて「ちゃんと作っていこう」と一致団結しました。各農家で頑張ったことが花開いて、最近の国産レモンブームにもつながったんです。

広島レモンは、とても甘くてまろやかな味わい。これも暖かい土地で育てるからこその特徴です。寒い地域では、冬の寒波でレモンの木が枯れてしまうこともあるので、早めに収穫を終えることが多いですが、ここでは木になっている状態のまま冬を越します。3〜4月ごろ収穫するまでに、ゆっくりと酸味が下がって糖度が上がるんです。

甘くて風味が豊かなので、僕は白湯や炭酸水に絞って飲んだりしています。おいしいのはもちろん、ビタミンが豊富なこともあって、畑仕事に行く前に飲むと元気が出るんですよ。食卓でもいろいろ使えて、うちではすだちや酢の代わりにしています。友人を招くようなときには、輪切りを載せた華やかなレモン鍋をつくることもありますね。

稲角農園さんの広島レモンは、ニュウマン横浜にある「2416 MARKET」でも販売中。

ワックスは使わず、一つひとつを手で磨く

島に戻り、後継者として柑橘栽培を始めてから約4年。今は父から技術を教わりながら、腕を磨いているところです。それと同時に、バイヤー時代の経験を生かして新しいことも取り入れていて。一番大きく変えたのは販路でしょうか。以前はほぼすべての商品を農協に出していましたが、今は半分くらいを個人や店などに販売しています。

LUMINE AGRI PROJECTへの参加もそのひとつです。「いろどりくだもの」は、全国の生産者の商品が1箱に詰まっているのがいいですよね。自分ひとりではできないことを、みなさんとコラボレーションするかたちでお届けできるのが魅力的だなと思います。

販路を見直したことが生んだ変化は、食べてくれるお客さんや、流通を手伝ってくれるバイヤーの方など、いろんな人の“顔”が見えるようになったこと。だからこそ、ちゃんといいものを届けたいという気持ちがより強くなり、作業も自然と丁寧になりました。

たとえば、収穫したくだものを選別するとき、なるべく選果機を使わず手で選り分けるようにしました。選果機は大きさの違う穴が空いたドラムの上にくだものを流すことでサイズ別に分ける機械なのですが、穴から落ちるとき、どうしてもわずかな衝撃がかかってしまう。見た目にはまずわからないのですが、食べたときの味が少しだけ変わるんです。

選別後はワックスを使わず、一つひとつマイクロファイバーの手袋で磨き上げてツヤツヤに。大事に育ててきたくだものをベストな状態で食べてもらいたいので、時間はかかりますが、手作業にこだわっています。

モノを届けるだけじゃない関係性を築きたい

農業はとっても大変です。広大な畑でいろんな品種を育てているので、作業が重なると目が回るくらい忙しくなる。夏の炎天下での作業では滝のように汗をかきます。

でも、やっぱり楽しいんです。
お客さまの声が聞けるとすごく励みになりますし、「おいしかったです」「稲角さんのみかんを毎年楽しみにしています」といったお手紙はすべて家の中に飾っています。くだものを通して、たくさんの人たちとモノを届けるだけじゃない関係を築いていけることが僕の楽しみですし、お客さまにとっての楽しみにもなったらうれしいですね。


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