“ゆる煎茶”を楽しもう
講師:茂木雅世(日本茶アーティスト)
お茶を淹れる作法にとらわれない、その日その時の味を楽しむ「ゆる煎茶」をモットーに活動をする日本茶アーティストの茂木雅世さんの「ゆる煎茶会」にご参加いただけます。急須・茶器を使っておいしいお茶を淹れる、ゆったりした時間を茂木さんと一緒に愉しんでみませんか?
「日本茶アーティスト」として、ラジオやSNSなどさまざまなメディアを通してお茶の魅力を発信している茂木雅世さん。2017年7月26日(水)には、CLASS ROOMで「“ゆる煎茶”を楽しもう」と題した「ゆる煎茶会」を開催します。日本の伝統的な文化である「お茶」の世界を、より親しみやすく、暮らしの中で楽しめるものとして提案している茂木さんに、お茶の魅力と自身の活動に込めた想いをうかがいました。
日本茶は、ちょっとした淹れ方の違いで味が変わります。お茶屋さんで飲んでおいしかったのに、家で淹れると同じ茶葉でも違う味に感じられるという声を聞いたりすることもあって。「正しい淹れ方」をしても、日によって味に少々違いが出たり。そこが難しいといわれる部分かもしれませんが、私自身はそういう“揺らぎ”を楽しむことをテーマに、日本茶アーティストとして活動しています。
たとえば、一般には湯冷まししてから淹れるという人が多いですが、水出しでも、熱湯で淹れても味は変わるんです。茶摘みするとわかりますが、茶葉って、とっても柔らかくて繊細。熱湯をそのまま注ぐと、えぐみや渋みが出てしまうこともあります。でも、意外と少しえぐいくらいが好みという人もいて。高級なお茶は特に冷ましたお湯をというルールがありますが、そこに縛られず、自分の好きな味を見つけようという方向性ですね。
お茶の味は、淹れ方によっても変われば、品種によってももちろん違います。人にたとえると面白くて、たとえば以前飲んだ100g8000円というちょっと高価なお茶は、“一筋縄では行かない美少女”という印象。扱いが難しいけれど、うまく淹れられるとものすごくおいしいっていう(笑)。私は同じお茶を毎日淹れていますが、それでも体調や気分によって、味わいの“色み”が違うように感る。そういう面白さをシェアしたいんです。
コーヒーや紅茶と比べると、日本茶に派手さはないかもしれません。でもその分、すごくディティールが細かいんです。味はもちろんですが、色をみても、南国的なパッションカラーではなく落ち着いた緑色ですよね。でも、そこにはさまざまな緑色があるんだって気づかされるというか。
外向きの派手さではなく、もっと内面的な、繊細な美しさ。私の個人的な感覚では、コーヒーや紅茶は“矢印が外向き”だけど、煎茶はもう少し内向きですね。みんなで一緒に楽しむというより、個人で深めていくようなイメージ。ただ、以前と比べると、日本茶をみんなで気軽に楽しめるカフェも出てきて、そういう印象も少しずつ変わってきている気がします。
最近は海外から日本文化が注目されていますが、お茶のこの感覚を伝えるのは難しいですね。国によっては旨みという概念がないようですし、甘くしないと飲めない人もいて。実は日本でも、急須を知らない若い子もいるんですよ。でも、そういう人たちに急須で淹れたお茶を飲んでもらうと「何これ、おいしい!」って驚かれたりします。その反応が楽しくて。
お茶の魅力をどうピックアップして楽しんでもらうかをよく考えていて、今までも味のイメージを絵にするワークショップをやったり、コンビニのお菓子と合うお茶を考えたり、本当にいろいろなことをやってきました。
お茶が好きな人ではなく、まだその魅力を知らない人に向けてやっているので、私がイベントをやるのは、そもそもお茶がない場所ばかり。新宿のニュウマンをはじめ商業施設のファッションフロアで「TEA PARTY」をやったり、青山ファーマーズマーケットで「TEA BAR」のようなイベントをやったり。
見る人から見たら、どんどん何をやっているかわからない人になっているかもしれません。もう、変人と思われているかも(笑)。でも、私としては、今までにはなかったところ、興味がなかった人にこそ、お茶の楽しみをシェアすることを目指していきたいんです。今回のCLASS ROOMも、同じような条件で淹れても味が変わる、そんな気づきを得られるワークショップにしたいと思っています。
お茶を淹れる作法にとらわれない、その日その時の味を楽しむ「ゆる煎茶」をモットーに活動をする日本茶アーティストの茂木雅世さんの「ゆる煎茶会」にご参加いただけます。急須・茶器を使っておいしいお茶を淹れる、ゆったりした時間を茂木さんと一緒に愉しんでみませんか?
かたくるしくない、誰もが笑顔になっちゃうような「ゆる煎茶」をモットーに煎茶のこれからの在り方を模索・企画・発信する人。全国でお茶にまつわるイベントを企画・開催すること9年間。FMyokohama「NIPPONCHA茶CHA」DJ他、様々なメディアでお茶の魅力を発信しています。Twitter:@ocharock