CLASS ROOMの12月講座では、お菓子や手土産など、女性が好んだり憧れたりするものやことを題材に、書籍や雑誌を執筆している甲斐みのりさんを講師に招きます。そんな甲斐さんは、贈り物上手な方です。ちょっとした心遣いを通して、相手との関係を豊かなものに変えていく、贈り物上手になるヒントを教えてくれました。

お菓子の余韻まで贈る

これは東京都杉並区の阿佐ヶ谷にある、「鉢の木」というお店のお菓子です。以前は、昔ながらの和菓子を売っていたお店なんですけど、社長さんが若い世代にも普段使いしてほしいと思って、数年前に、デザインを一掃して。このバンダナは数色あって、バンダナ代を払えば、好きなお菓子包んでもらえます。風呂敷もあるんですよ。

包装紙も、可愛いものがあったら私は使いますが、布で包むというだけでお菓子の余韻まで取っておけるようになるというか。お弁当包みにしたり、ハンカチとして使うとか、いろんな使い方をみなさん報告してくれます。「バンダナを見るたびに、甲斐さんを思い出す」と伝えてくれる方もいて、そういうのが嬉しいんです。

100円ショップでも、チェックや水玉の可愛らしいバンダナがあったらチェックするようにして。お菓子屋さんにバンダナが扱われていなくても、自分でアレンジすることもあります。なかのお菓子も美味しくて。どら焼きは、生地がもちもちしているんです。もう一方の「あさがやの並木」というマドレーヌのようなお菓子は、きな粉やごま油を使った小豆入りの和ケーキです。

贈り物のレパートリーを増やす

住んでいるまちや沿線に、思い立ったら買いに行けるお店を持つと、とてもいいですよ。すごく便利。自分の住むまち以外に、旅先でも、日頃から目を光らせています。美味しかったり、見た目が可愛かったりしたら、自分も嬉しいし、人にも喜んでもらえる。喜びが2倍になるんです。

そういう贈り物に合ったお菓子やグッズは、すぐに頭の引き出しからスッと出せるように、レパートリーにしています。贈り物や手土産になりそうなものを、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも探しておくといいですよ。どんなときに何をあげるのかというのは、状況によって変わるから、レパートリーがあるほど役立ちます。

贈り物のレパートリーに選ぶものは、自分がときめくかどうかを基準にしています。ときめくもの、嬉しいもの、美味しいもの、可愛いものを人に差し上げていますが、そこにすべての人共通の正解はありません。だから、まずは自分の芯を持つことが大事。自分がどういうことにときめくのかわかっていれば、それが正解になるから。自分の正解を持つことが一番のオススメです。

贈り物ノートに記録する

私にとって思い出深い贈り物は、京都の祇園にある料亭で働いていた頃、先輩からもらったゼリーです。夏バテをしてしまって2、3日、自宅で寝込んでいたところ、玄関がピンポンと鳴りました。出てみると、和菓子屋「老松」の白衣を着た職人さんが立っていて、先輩からのお届けものだと、ゼリーを渡してくれました。

「人から何かを贈られることって、こんなにもうれしいんだ」その出来事を境に、私も喜んでもらえるものをあげたいという気持ちが芽生えました。私もこうなりたいと思ったんですね。最初の頃は、贈り物の初心者でしたから、日記のようなノートをつけるようにしていました。誰に何をいただいて、何を誰に差し上げたのか。

ノートに記録していくと、次は違うものをあげようとか、ものすごく喜んでくれていたから次も同じものにしたり、考えてる種になるんです。贈り物に慣れていないから、忘れてしまわないように。人生勉強のような気持ちで、贈り物の出来事をノートに記録していました。

私が好きな、甘く、かわいく、おいしい贈りもの

私が好きな、甘く、かわいく、おいしい贈りもの

講師:甲斐みのり(文筆家)

12月講座の講師は、旅や散歩、お菓子に手土産、クラシック建築やホテル、雑貨と暮らしなど、女性が好んだり憧れるモノやコトを主な題材に書籍や雑誌などで執筆している甲斐みのりさんです。『私が好きな、甘く、かわいく、おいしい贈りもの』と題し、贈りものが多くなる年末・年始に向けて、いろんなモノを見てきた甲斐さんならではの贈りものに対する考え方についてお話いただきます。

日時
2018年12月19日(水)19:30~21:30
会場
カフェパーク(恵比寿)
参加費
無料
定員
60名
※応募者多数の場合は抽選となります。
受付期間
2018年11月22日(木)〜12月9日(日)

甲斐みのり(文筆家)

1976年静岡県生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。旅や散歩、お菓子に手土産、クラシック建築やホテル、雑貨と暮らし。女性が好んだり憧れるモノやコトを主な題材に書籍や雑誌に執筆。