1日1時間ぐらいは銭湯でゆったり
日々の生活の中でぼくは日常からLINEだったり、Twitterだったり、Facebookメッセージに対応しながら仕事をしているのと、他にも能動的な情報の取得先としてまとめサイトを見たり、Webメディアを日常から読んでいます。仕事でもさまざまなコミュニケーションツールを使い、会議の検討段階からオンラインで対応してしまうことが多くて、日常的に情報過多な状況が発生していて、情報の取得、やり取りだけで消費してしまう毎日です。
そういった働き方をしてしまうと、スマートフォンやパソコンから離れられない日常になってしまい、それはぼくに限らず、現代の働き方として、同じような状況に陥っている方は多いと思います。
そんな時、銭湯だったら、脱衣所や浴場では、スマートフォンやパソコンを使うことはできないので、強制的にデジタルデトックスができるんです。やはり1日1時間ぐらい銭湯に行って、湯船に浸かってゆっくりするような時間って、必要なんじゃないかなと思います。
銭湯にはそういった使い方がありますし、入浴にまつわるさまざまな美容効果から興味を持つでもいいですし、銭湯の歴史や建築仕様を楽しむでもいいですし、地域とのつながりが希薄な今、番台にいるおじいちゃんおばあちゃんとの会話を楽しむでもいいのではと思っています。
銭湯には、多種多様に楽しめる魅力がありますし、現代病のような部分には、だいたい銭湯が答えを持っていると思います。
銭湯に通う魅力の広さ
銭湯での美容効果に関しては、最近、交互浴というのが流行っています。
銭湯のお湯は、だいたいの銭湯が熱めの温度設定になっていますが、それが肌のタンパク質を刺激して老化を軽減するという効果があります。
銭湯の歴史の部分では、どこの銭湯も60年以上の歴史があり、なかには100年以上のところもあります。銭湯という存在自体が地域の特色と結びついていたりもします。今は町の八百屋やクリーニング屋など、昔からあったお店も潰れてチェーン店などに変わってしまっていますが、昔ながらの建物は地域の特色だと思いますし、クリエイティブの仕事をしている人にとっては、銭湯のレトロな部分や銭湯それぞれにある「シズル」のような部分に惹かれて、銭湯が好きだという人も多くいます。
銭湯でのコミュニケーションの部分だと、銭湯は昔から地域コミュニティーの場と言われており、地域の様々な人達が集まる場所でした。なので銭湯に行くことによって、地域の人達と仲良くなったり、コミュニケーションをすることも楽しみの1つです。
けど、僕は銭湯で地域の人達と直接的にコミュニケーションを取るのは苦手です(笑)。ただ、1人暮らしだったりすると寂しい時もあるので、銭湯に行けばなんとなく人がいることに安心します。そして、サウナで他のお客さまと居合わせると、どっちが先に出るのか張り合うみたいな、そういった間接的なコミュニケーションもあるので、人が介在するところに気軽に行ける魅力が銭湯にはあります。
銭湯でつながる、まちと人
最近は10代、20代の女性にも銭湯好きが増えています。東京銭湯や喜楽湯のスタッフも、9割ぐらいが女性なんです。大学生の女の子が番頭をやりたいって言ってくれたり、東京銭湯をやり始めた当初からだいぶ世の中が変わってきたように思います。
さまざまな要因はありますが、最近だとやはりリニューアル銭湯やデザイナーズ銭湯のような現代風にオシャレに生まれ変わった銭湯の存在が大きい部分もあります。銭湯というと古くて若者が入りづらいイメージがありますが、リニューアルしたことにより若者が行きやすくなり、女性も通いやすい銭湯は増えています。
都内だと、550軒程度の銭湯があり、各銭湯によって施設も楽しみ方も違うので、全銭湯を制覇していくような楽しみ方もできると思いますし、東京銭湯では「OFF呂会」という若い銭湯好きが集まるイベントを開催しているので、そういうイベントに参加して、銭湯を通じたコミュニケーションを楽しんでもらうようなこともしやすくなってきています。
今は家庭のかたちが核家族が多かったり、近隣とのコミュニケーションが減ってきていたりして、親戚、地域の人達に何かを頼るようなこともしにくくなっていると思います。
昔は銭湯があることにより地域のコミュニケーションが生じていた時代は簡単に解決ができていた地域の問題も、今は難しいことがあります。
そういう部分でも、今こそ銭湯が暮らしの中に取り入れられれば、地域のコミュニケーションが活発になり、様々な地域の問題が解決されるのではないかなと思います。