暮らしに香りと味わいと、広がりをくれるワイン

ワインは料理のパートナー

私が嬉しくなるのはお客さまが半信半疑になっているところで、ワインと料理がマッチしたとき。本当は1品合わせて試飲してもらったらいいんですが、料理がないときも「ちょっと、お醤油の焦げた味を想像してみてください。それと口の中にあるワインの雰囲気は合いませんか?」と聞いてみたり。

お客さまの趣味がChateau Junと合わない場合に、他のメーカーを紹介することだってします。ルミネアグリ マルシェに出店したときは、数社のメーカーと隣り合わせでした。少し飲んでもらって、お客さまが「でも甘いのが好きなんです……」とおっしゃったら、「だったら、これが合いますよ」って他社のワインを紹介したり。そこから入って、ワインを好きになってほしいから。

お勧めするときは、必ずお客さまがワインを飲むシーンを想像して、そこで会話につながるようなワインを紹介するようにしています。ワイン選びって難しいと言われるけど、お店の専門家に聞いてみたらいいんです。「今日はこの料理を食べるんです」って。

ワイン選びはブドウから

予算の目安を言い添えておけば、あとはプロが選んでくれます。そうして相性の合うワインが見つかったなら、ブドウの名前を覚えておけばいいんです。「この前、甲州種のブドウを使ったワインを飲んで、美味しかったんです」って話したら、それに合わせてまた別のワインをお勧めしてくれます。ブドウの名前だったら覚えやすいでしょう?

例えば、フランスワインのようにブドウの名前が書かれていないものもありますから、そのときは写真を撮っておいてもいいです。

確かに甲州種と言ってもピンからキリまでありますが、ちょっと覚えておくことで基準値を持てます。プロはNO情報よりも、そういう知っていることを教えてあげたほうが探しやすいんです。指標になるものを出すと、必ずつながり、広がっていきます。

味の分だけ彩る暮らし

私自身も同じように、ワインを楽しんでいます。家で「今日のメニュー何?」「良いね、じゃあロゼ冷やそうか?」って。うちの女房はフレンチのお店で働いていて味覚も私と近いので、ほぼ毎日お酒と合わせて食事を楽しんでいます。娘はロゼが大好きで、27歳ですからお客さまと同じように見ているところもあるんです。

ロゼをきっかけに、そこからワイン好きになってもらう切り口はあると思っています。うちでよくやるのは、食事をはじめる前にしっかり冷やしておいて、そのまま食卓に出しておくこと。温度が上がってくるとワインの味が少しずつ変わってきます。食事が終わる頃まで残っていたら、常温に近いワインも楽しむ。

同じワインでも、冷やしたときと常温に近くなったときとでは、こんなに味が変わるんだと。温度ひとつをとっても、とても楽しみは広がるんです。料理との相性だったり、ワインを飲むシーンであったり、温度の違いであったり。こんなに味覚の違いが生まれて楽しいものは他にはないことを、知ってくれる人がひとりでも増えてくれれば嬉しいです。

知ると楽しいワインのあれこれ

知ると楽しいワインのあれこれ

講師:西浦昌文(シャトージュン スペシャルアドヴァイザー)

9月講座の講師は、先日のG20大阪サミット首脳夕食会でも提供され、高い評価を受ける山梨県勝沼町のワイナリー、シャトージュンの西浦昌文さんです。ワインに興味はあるけど、ちょっと敷居が高そうと感じている方にオススメの、知ることでワインと仲良くなれるお話を、ワインと料理と一緒にお楽しみいただきます。

日時
2019年9月25日(水)19:30~21:30
会場
カフェパーク(恵比寿)
参加費
1,000円 ※材料費として
定員
30名
※応募者多数の場合は抽選となります。
受付期間
2019年8月22日(木)〜9月15日(日)

西浦昌文(シャトージュン スペシャルアドヴァイザー)

1957年 誕生
1975年 JUN GROUP(アパレル)入社
2008年 営業部、飲食事業部兼務 シャトージュン事業部長
2012年 ソムリエ資格取得
2013年 日本ワインマスター資格取得
2014年 日本酒利酒師資格取得
2018年 &LIVED設立 シャトージュン スペシャルアドヴァイザー(顧問)契約