CLASS ROOM 8月講座は、「働き方も自分らしく楽しむ」というテーマで、スープストックトーキョーの江澤身和さんをゲストに迎えます。高校生ではじめたアルバイト経験が、変わらず、働く楽しさの原点になっているという江澤さんが、みんなで働く仕事のなかで、悩んだり喜んだりしてきた素顔を話してくれました。

みんなでやりきるとうれしくなる

チームや仲間、人と一緒に何かをやりきったとき、その輪に私がいなくても、うれしくなります。何かをやっている最中って、結果はあまり見えないので、やっていることの価値を感じる、私や仲間が何かを動かせたという瞬間が楽しいです。私は学生時代に部活をやっていなくて、過去にピザ屋さんでアルバイトをしていたのが、ほとんど唯一の“長く続けていたこと”なんですね。

高校生、短大時代、フリーターになっても続けて5、6年働いていたから、後半の2、3年はメンバーをまとめたり、仕切ったりする機会が増えていって。お店の目標があったりしたので、達成できたときにチームで働く楽しさを実感しました。そのピザ屋さんは、決算時期に単日の売上が全国で一番になるお店だったんです。「今年は、前年を超えるぞ」と、アルバイトとして最後に迎えた決算で1669枚のピザを売ったことは今でも覚えてます。

みんなで、「達成した!」というのが楽しかったな。チーズの担当者ならチーズのトッピングしかやらないくらい、誰も一歩も動かないポジションを割り振って、部活で味わうような達成感がありました。未だに仲良くて、たまに集まります。自分が楽しかったので、友達を誘って働いていたこともあったからかな。

私が嫌なことを誰かにしたくない

スープストックトーキョーのメンバーとも、ごはんや飲みにいくことは多いです。「これ面白そうだから一緒にいかない?」って舞台を観に行ったり、「フェスにいこう!」って旅行に出掛けたり。仕事の話は結局するんですよ。なんやかんやで共通話題になります。今は副社長でもあるので私が上司のときもあるのですが、お説教モードに入らないようにしているんです。ふだんの立場だったらこう返す、というのをオフにして、ひとりの社員として同志のように接します。

愚痴っぽいことを言っていても、そこで聞いたことは仕事に持っていかない。告げ口しちゃうと、その人も思っていることが言えなくなっちゃうし、それくらい仲が良いっていうのは、その人の直接の上司にもやりづらさが出ちゃう。本当に悩んでそうだったら仕事モードを入れて、「動こうか?」って言いますけど、そうじゃないときはただの世間話で、文句も、「そういう意見だってあるよな」って、良い意味で聞き流すんです。

でも、こういうふうに話す機会があったから、確かにそうしているなって意識できたくらいで、日頃は無意識にやっていることなんですよ。私が相手側だったら、オフモードでボヤいているときに急にまじめにお説教されたら嫌だなって。私が嫌だから人にもしたくない。

もうちょっとしんぼう、しんぼうへの工夫

今やっていることが、私のなかで、「間違ってない。正しい」って思えたら、「まだ結果が出てないのはそこに達していないだけで、結果はいつか出るだろう」と思うようにしています。チームのメンバーが途中で折れそうになったときはそう声をかけたり、自分が折れそうだったら言い聞かせたり。それでも不安になっちゃったら、「これが正しいと思ってやっているんですけど、どうでしょうか?」って誰かに聞いてます。

なぜ誰かに聞くのかというと、私がポジティブになりたいからなんです。その“誰か“もポイントで、私の思う、「何かをしつこくやり続けることを大事にしている人」に聞いてます。ほしいと思っている答えを聞きにいっている感じですね。絶対にそう答えてくれるだろうという人に聞いて、私が思っていた答えが来たら、「そうだよな。もうちょっとしんぼう、しんぼう」って。

店舗営業部でスープストックトーキョーの店長をやっていたのに、冷凍スープを広めていく法人営業部に異動したときは、自信を持って仕事をすることができなかったから、正直に「仕事が向いてない」「全然、楽しくない」と、上司に相談しました。辞めたいと言わないまでも、そうした考えが頭をよぎったくらいで、「ほかの人がやったほうがもっと良いと思うんです」って。

働き方も自分らしく楽しむ

働き方も自分らしく楽しむ

講師:江澤身和(株式会社スープストックトーキョー 取締役副社長)

8月講座の講師は、株式会社スープストックトーキョー取締役副社長 兼 店舗営業部長の江澤身和さんです。「働き方“開拓”」と銘打って年間休日休暇120日を確保する「生活価値拡充休暇」など、“人を大切にする”を基軸としたユニークな人事制度を展開している江澤さんに、「働き方も自分らしく楽しむ」と題して、働く上で大切にしていることや多様な働き方について、いろいろとお話をうかがいます。

日時
2019年8月28日(水)19:30~21:30
会場
カフェパーク(恵比寿)
参加費
無料
定員
60名
※応募者多数の場合は抽選となります。
受付期間
2019年7月25日(木)〜8月18日(日)

江澤身和(株式会社スープストックトーキョー 取締役副社長)

株式会社スープストックトーキョー取締役副社長 兼 店舗営業部長。2005年、パートナーとして入社。社員登用ののち複数店舗の店長を経て、法人営業グループへ異動し、冷凍スープの専門店の業態立上げと17店舗の新店立上げをする。2016年2月、株式会社スープストックトーキョーの分社に際し、取締役兼人材開発部部長に着任。 “人を大切にする”を基軸とした14の人事制度を展開。2018年、「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018」 チェンジメーカー賞を受賞する。2019年4月より、取締役副社長と店舗営業部部長として、ブランドを牽引する。