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 "エシカル"がリアルに見えて、気分が上がるセレクトショップ「style table」

2023.05.16

「エシカル×サステナブル×ヴィーガン」をテーマに、身体にも環境にも優しいものだけを集めたセレクトショップ「style table」。店内にはスキンケアアイテムやオーガニックコスメ、健康に配慮したフードなどが並び、ルックスも可愛いものばかり。今注目のエシカル消費にぴったりなお店が誕生した背景やこれからについて、運営会社の代表取締役で、かつてはジュエリー販売員だったという吹上直子さんに聞きました。

その商品のどこがエシカルなのか、ひと目でわかるように

動物実験ゼロとゴミゼロにこだわったヴィーガンコスメや、日本製のオーガニックなスキンケア用品、天然原料がベースのハミガキ粉、日本ヴィーガン協会認証のグラノーラ……。エシカルセレクトショップ「style table」の店内に揃うアイテムは、すべて「エシカル×サステナブル×ヴィーガン」をテーマに厳選されたものだ。ちなみに今回の頻出ワード「エシカル」には、人や地球環境、社会や地域に配慮した倫理的な考え方や行動、といった意味がある。

それぞれの商品についているポップを見ると、「J」「O」「P」などのアルファベットが添えられているが、これはいったい? 運営する株式会社フラッグの代表取締役、吹上直子さんに尋ねてみると……。

「『style table』では、取り扱う商品の基準を7つのエシカルテーマに絞っています。ポップに記されているアルファベットは、その商品が7つのエシカルテーマのうち、どれをクリアしているのかを示しています」

なるほど、よく見るとアルファベットの横には、それぞれのアルファベットが何を表しているのかが書かれている。先程のJはジャパンメイド、Oはオーガニック成分配合、Pはプラスチックフリー。また、Cは気候危機対応、Vはヴィーガン、Fはフェアトレード、Nは天然由来成分配合を意味している。

ポップを見ればその商品のどんなところが人や地球に優しいのかがひと目でわかるので、アイテム選びの参考になるというわけだ。7つのエシカルテーマのうち、複数をクリアしている商品も多い。

「style table」を運営する株式会社フラッグの代表取締役社長、吹上直子さん。同店のほかセレクトショップ「Ethical&SEA(エシカルシー)」の運営も。2021年には1児のママに

産後も第一線で長く続けられる仕事を目指して

吹上さんは、大学卒業後、ジュエリー会社の販売職からキャリアをスタート。2年目で店長、4年目でエリアマネージャーにと異例の昇進を果たしたが、転職。ライフステージが変わっても、第一線で長く続けられる働き方を目指してのチャレンジだった。

「私の母がシングルマザーで3人の娘を育ててくれたこともあり、女性が社会的に自立して生きていく必要性は子どもの頃から感じていました。最初に就職した会社ではチャンスに恵まれたけれど、どんなに優秀な女性でも子育てが始まると第一線から退くような文化があり、私の目指す働き方は難しいのかなと」

いろいろな仕事を経験したいという思いもあり、その後は大手商社や外資系金融機関を経て、オーガニックコスメ会社へ。仕事を通してサステナビリティについて学んでいくうちに、エシカルを専門とした商品の卸売業に興味をもつようになり、2019年に独立して起業。卸売業と並行し、縁あって、代官山のオーガニックなセレクトショップ「style table」のオーナーから同店のライセンスを買い取り、運営をスタートした。店舗は現在、関東、関西で合計10店舗(2023年4月時点)にまで拡大している。

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顧客の悩みやリクエストに対して何をどう提案するのか

「style table」に並んでいる商品はすべて、吹上さんをはじめとするスタッフが実際に試してみて、いいと感じたものだけを厳選しているそう。

「成分はもちろん重視していますが、普段使うときに気分が上がるようなデザインであることも大切。日常生活に入り込むものなので、心地よさや使い勝手のよさはマストですよね」

どの店舗も、明るくフレンドリーな雰囲気。スタッフも気さくに話しかけてくれる。しかも目線がフラットで、押しつけがましいところはない。実は、接客は吹上さんが運営において最も大切にしていることのひとつでもある。

「接客という仕事は一見シンプルなようで、誰でもできるものではありません。特に『style table』の場合はエシカルにまつわる専門的な知識が必要ですし、知識や情報を十分に持ったうえで、お客さまの悩みやリクエストに対して何をどのように提案するのか、それによってお客さまが得られるものがまったく変わってきます」

かつて新卒で入社したジュエリーの会社で販売職を経験するなかで、「世の中を深く知る努力を怠らないことが、いろいろな人と関わるうえで必要なこと」と学んできた、と吹上さん。スタッフには現在、商品知識、接客知識、エシカル研修の3つの研修を実施している。

「エシカル研修は接客に活かしてもらうだけでなく、スタッフ個人にとっても価値のあること。今後どのような道に進んでも、必ず役に立つ知識ですから。ぜひ学び続けてほしいという思いで研修を行っています」

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エシカル消費への満足度を高めるために

「style table」ではこれまでエシカルをテーマにしたイベントやワークショップも行ってきたが、今後はさらに「今、なぜエシカルという考え方が必要なのか」「エシカル消費には具体的にどんなメリットがあるのか」について積極的に発信していきたいと吹上さんは語る。

「オーガニックなものやサステナブルなものが健康にいいと理解していても、現状では価格の問題もあり、なかなか続けられないという人も少なくないと思います。でも、自分や家族の健康にいいだけでなく、商品ができあがるまでに携わった人たちや生態系など、地球全体にとってこんな恩恵があるんだよということがもっとリアルに見えてくると、エシカル消費に対する満足度が高まり、継続へのモチベーションもアップするはず。いずれ、世の中で売られているすべての商品が当たり前のようにエシカルである、という未来が訪れることを目指して、私たちができることを一歩ずつ続けていきたいと考えています」

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■style table
https://styletable.jp/

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※本記事は2023年5月16日に『telling,』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。

Text: Kaori Shimura, Photograph: Saki Yagi, Edit: Sayuri Kobayashi

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