SUSTAINABLE
「THE JAPAN RAIL FAIR 2024」を彩る、嬉々!!CREATIVEのアート
2024.10.31
2024年10月11日~13日にシンガポールで開催された、日本のカルチャーや日本への旅の魅力を発信する「JR東日本東南アジア事業開発」主催のイベント「THE JAPAN RAIL FAIR 2024」。ルミネは「グローバル&サステナブル」をテーマに出展し、豊かな日本の食文化などを発信しました。
今回、ブースやオリジナルのTシャツ、ステッカーなどのアートワークを手がけたのが、障がいのあるアーティストが所属する「嬉々!!CREATIVE」です。カラフルな色づかいやエネルギッシュな描線が目を引くこれらの作品は、どのようにしてつくられていったのでしょうか。イベントに向けて準備が進むなか、嬉々!!CREATIVE代表の北澤桃子さんと、ルミネの温田華代子、勝又美帆が振り返ります。
今回、ブースやオリジナルのTシャツ、ステッカーなどのアートワークを手がけたのが、障がいのあるアーティストが所属する「嬉々!!CREATIVE」です。カラフルな色づかいやエネルギッシュな描線が目を引くこれらの作品は、どのようにしてつくられていったのでしょうか。イベントに向けて準備が進むなか、嬉々!!CREATIVE代表の北澤桃子さんと、ルミネの温田華代子、勝又美帆が振り返ります。
会場でルミネならではのカラーを表現するために
―今回のTHE JAPAN RAIL FAIR 2024において、嬉々!!CREATIVEさんはどのようなもののアートワークを担当されたのでしょうか?
勝又美帆(以下、勝又):ルミネの出展ブースと、来場者が記念撮影できるフォトブースの背景、それからTシャツやトートバッグ、ステッカーに作品を使用させていただきました。
温田華代子(以下、温田):Tシャツとトートバッグは販売アイテムで、ステッカーは会場で配布予定です。Tシャツに関しては、会場で私たちスタッフも着用します。
―嬉々!!CREATIVEさんとコラボレーションすることになった経緯を教えてください。
温田:数々の企業さんが出展するなかでも、ルミネならではのオリジナリティを出したいと考え、ビジュアル面をサポートいただける方を探していました。そんなとき、ニュウマン横浜にある神奈川のモノ・コトを発信する「2416MARKET」を通してつながりのあった嬉々!!CREATIVEさんを社内スタッフから紹介してもらったんです。
勝又:過去に「2416MARKET」で「CAT CARNIVAL」という猫をテーマにしたイベントを実施し、その際に嬉々!!CREATIVEさんのアーティストさまの猫の絵をパネル化して装飾したところ、お客さまからも大変好評だったと聞きました。
温田:その後あらためて作品を拝見し、ぜひお願いしたいと思ってお声がけをさせていただきました。
勝又美帆(以下、勝又):ルミネの出展ブースと、来場者が記念撮影できるフォトブースの背景、それからTシャツやトートバッグ、ステッカーに作品を使用させていただきました。
温田華代子(以下、温田):Tシャツとトートバッグは販売アイテムで、ステッカーは会場で配布予定です。Tシャツに関しては、会場で私たちスタッフも着用します。
―嬉々!!CREATIVEさんとコラボレーションすることになった経緯を教えてください。
温田:数々の企業さんが出展するなかでも、ルミネならではのオリジナリティを出したいと考え、ビジュアル面をサポートいただける方を探していました。そんなとき、ニュウマン横浜にある神奈川のモノ・コトを発信する「2416MARKET」を通してつながりのあった嬉々!!CREATIVEさんを社内スタッフから紹介してもらったんです。
勝又:過去に「2416MARKET」で「CAT CARNIVAL」という猫をテーマにしたイベントを実施し、その際に嬉々!!CREATIVEさんのアーティストさまの猫の絵をパネル化して装飾したところ、お客さまからも大変好評だったと聞きました。
温田:その後あらためて作品を拝見し、ぜひお願いしたいと思ってお声がけをさせていただきました。
嬉々!!CREATIVEとコラボレーションした「THE JAPAN RAIL FAIR 2024」のルミネオリジナルグッズ。
大切なのは、同じ熱量でアートを楽しんでくれること
―嬉々!!CREATIVEの活動内容について教えてください。
北澤桃子さん(以下、北澤さん):嬉々!!CREATIVEは、障がいのある約90名のアーティストが所属しているアーティスト集団であり、アトリエであり、福祉施設です。スタッフもアーティストも入り混じってモノをつくっています。作品は絵画などの平面作品を中心に、立体作品や演劇など、ほんとうにさまざま。神奈川県平塚市にあるアトリエの階下では、カフェギャラリーの運営もしています。
社会福祉事業なので、活動の大きな柱は障がいがある方の日中のケアをすることなのですが、そのなかで彼らの得意なことを通して社会に参加してもらうことをめざしています。企業さまにパッケージデザインなどでライセンスの利用をしていただくことをはじめ、カフェギャラリーではアートの原画やオリジナルグッズを販売。そうして得た収入で、みなさんにお給料をお支払いしています。
温田:アトリエにお邪魔したことがあるのですが、所狭しと作品が並んでいて、入った瞬間からワクワクしました。
北澤さん:うちの謳い文句は「いちばんハッピー」で、アトリエがテーマパーク以上におもしろいと言われることもありますね。掘り出し物がたくさんある、無二の空間だなと思っています。別の場所に倉庫も借りているものの、作品の置き場がほんとうになくて……(笑)。おそらく数十万点の作品があるのですが、宝の持ち腐れにならないよう、使っていただける方は常に大募集中です。
北澤桃子さん(以下、北澤さん):嬉々!!CREATIVEは、障がいのある約90名のアーティストが所属しているアーティスト集団であり、アトリエであり、福祉施設です。スタッフもアーティストも入り混じってモノをつくっています。作品は絵画などの平面作品を中心に、立体作品や演劇など、ほんとうにさまざま。神奈川県平塚市にあるアトリエの階下では、カフェギャラリーの運営もしています。
社会福祉事業なので、活動の大きな柱は障がいがある方の日中のケアをすることなのですが、そのなかで彼らの得意なことを通して社会に参加してもらうことをめざしています。企業さまにパッケージデザインなどでライセンスの利用をしていただくことをはじめ、カフェギャラリーではアートの原画やオリジナルグッズを販売。そうして得た収入で、みなさんにお給料をお支払いしています。
温田:アトリエにお邪魔したことがあるのですが、所狭しと作品が並んでいて、入った瞬間からワクワクしました。
北澤さん:うちの謳い文句は「いちばんハッピー」で、アトリエがテーマパーク以上におもしろいと言われることもありますね。掘り出し物がたくさんある、無二の空間だなと思っています。別の場所に倉庫も借りているものの、作品の置き場がほんとうになくて……(笑)。おそらく数十万点の作品があるのですが、宝の持ち腐れにならないよう、使っていただける方は常に大募集中です。
神奈川県平塚市にあるカフェギャラリーにて。店内では所属アーティストの展覧会を定期的に開催している。
―お仕事を選ぶうえで、大切にしている視点はなんですか?
北澤さん:嬉々!!CREATIVEはスタッフ含め若手が多く、自分たちと同じように、ハイカルチャーだけでなくサブカルチャーにも興味がある人など、文化的な意識が少し高い人たちをターゲットにしているところがあります。なので、ルミネさんはまさにぴったりといいますか、お声がけいただいたときはすごくうれしかったです。あとはやっぱり、カルチャーやファッションに関心がある人たちのほうが、「障がいがある」ということよりも、作品そのものやアーティストが持っている魅力に注目し、受け入れてくれやすいと感じていて。そういうところも含め、ありがたいなと思っています。
大きい企業さんとお仕事ができることは、所属アーティストたちの収入にもつながるのでもちろんありがたいのですが、それ以上に、私たちと同じ熱量でアートを楽しんでくれる方とご一緒したいという思いがあって。温田さんたちもアトリエに来ていただいたときに、すごく楽しんでくれていたので、それがまずうれしかったですね。
温田:みんなではしゃいでしまいました(笑)。アトリエにお伺いする前に、インスタグラムやホームページで作品を見ていて、純粋にすごくかわいい作品がたくさんあったんです。そのうえでアトリエに足を運び、実際にいろんな作品を勝又と見るうちに、すっかり心が奪われて。なので、すごくかわいいものができあがるという期待はそのときからすでにありました。
北澤さん:嬉々!!CREATIVEはスタッフ含め若手が多く、自分たちと同じように、ハイカルチャーだけでなくサブカルチャーにも興味がある人など、文化的な意識が少し高い人たちをターゲットにしているところがあります。なので、ルミネさんはまさにぴったりといいますか、お声がけいただいたときはすごくうれしかったです。あとはやっぱり、カルチャーやファッションに関心がある人たちのほうが、「障がいがある」ということよりも、作品そのものやアーティストが持っている魅力に注目し、受け入れてくれやすいと感じていて。そういうところも含め、ありがたいなと思っています。
大きい企業さんとお仕事ができることは、所属アーティストたちの収入にもつながるのでもちろんありがたいのですが、それ以上に、私たちと同じ熱量でアートを楽しんでくれる方とご一緒したいという思いがあって。温田さんたちもアトリエに来ていただいたときに、すごく楽しんでくれていたので、それがまずうれしかったですね。
温田:みんなではしゃいでしまいました(笑)。アトリエにお伺いする前に、インスタグラムやホームページで作品を見ていて、純粋にすごくかわいい作品がたくさんあったんです。そのうえでアトリエに足を運び、実際にいろんな作品を勝又と見るうちに、すっかり心が奪われて。なので、すごくかわいいものができあがるという期待はそのときからすでにありました。
テーマに合う作品を、手を加えすぎずにコラージュ
―出展ブースやTシャツ、ステッカーはどのようにつくりあげていきましたか?
温田:アトリエにお伺いしたときに見せていただいた作品のなかに、今回のテーマに合うものがいくつもありました。たとえば、ぶどうの絵は日本の食文化の紹介としてシャインマスカットを販売する出展ブースにぴったりでした。また、記念撮影ができるフォトブースは、ルミネが東京にあるファッションビルだということがわかるデザインにしたいと伝えたところ、ファッショナブルな女の子の絵などを提案していただいて。そんなふうに、既存の作品をいろいろとコラージュしてつくりあげていきました。
―北澤さんはどのような視点で作品をセレクトしていったのですか?
北澤さん:まずはコンセプトや目的、ターゲットなどをヒアリング。そうすると「この人とこの人の作品がいいんじゃないかな」というのがおおよそ浮かぶので、そのなかからピックアップして見ていただいたという流れです。
作品は一つひとつが個性的で力強いので、組み合わせるときはなるべく手を加えすぎないことを意識しています。今回は既存の作品をベースに、ルミネのビルや東京タワーなど、部分的に足りないパーツは描きおろしています。
温田:アトリエにお伺いしたときに見せていただいた作品のなかに、今回のテーマに合うものがいくつもありました。たとえば、ぶどうの絵は日本の食文化の紹介としてシャインマスカットを販売する出展ブースにぴったりでした。また、記念撮影ができるフォトブースは、ルミネが東京にあるファッションビルだということがわかるデザインにしたいと伝えたところ、ファッショナブルな女の子の絵などを提案していただいて。そんなふうに、既存の作品をいろいろとコラージュしてつくりあげていきました。
―北澤さんはどのような視点で作品をセレクトしていったのですか?
北澤さん:まずはコンセプトや目的、ターゲットなどをヒアリング。そうすると「この人とこの人の作品がいいんじゃないかな」というのがおおよそ浮かぶので、そのなかからピックアップして見ていただいたという流れです。
作品は一つひとつが個性的で力強いので、組み合わせるときはなるべく手を加えすぎないことを意識しています。今回は既存の作品をベースに、ルミネのビルや東京タワーなど、部分的に足りないパーツは描きおろしています。
使用作品の選定会議でずらりと並べられた作品たち。「どれも魅力的で、眺めるだけでテンションが上がりました」と温田。
アートを通して福祉事業への注目を高めたい
―最後に、今回のコラボレーション企画の感想をお聞かせください。
温田:私はアートにまつわる仕事に携わったのが初めてだったのですが、お相手が嬉々!!CREATIVEさんでほんとうによかったです。個人的には、グッズとして自分の手元に残るというのもありがたいですね。国内でのイベントでも、ぜひまたご一緒できたらと考えています。
勝又:今回の出展ブースのテーマには、「グローバル」と「ルミネアグリプロジェクト」の2つがあり、私の主な担当は後者です。ルミネアグリプロジェクトは日本各地の産地とのつながりを都会の方に提供したいという思いで活動しているのですが、産地や生産者さんの魅力を伝えようとすると、どうしても説教くさくなりがちで。でも、嬉々!!CREATIVEさんとコラボさせていただいたことで、かわいくキャッチーにプロジェクトを知ってもらうことができると思うんです。それはルミネアグリプロジェクトの担当者として大切にしていることなので、今回のコラボレーションには感謝の気持ちでいっぱいです。
―北澤さんはいかがですか?
北澤さん:ルミネさんのように、作品をとおして心を通じ合える人が増えていったらいいなと。たぶん、出会っていただけさえすれば、嬉々!!CREATIVEのアーティストのとりこになる人がいっぱいいると思うんです。
福祉の事業というのは、まだまだ国の政策のなかで“端っこ”にあるのが現状です。障がいのある方が、もっと社会とつながっていくにはどうしたら良いのだろう、と考えたとき、アートはより多くの方に知ってもらうことのできるツールになると思います。嬉々!!CREATIVEのアーティストや作品の魅力を広く知ってもらうとともに、福祉事業への注目がもっと高まってほしいなと考えています。今回のコラボレーションが、そのきっかけのひとつになったらうれしいです。
■嬉々!!CREATIVE
https://www.kikicreative.jp/
https://www.instagram.com/kiki_creative2022/
===================
■あわせて読みたい
>> 人と人とをつなぐ「いいじ ISHIKAWA・NOTO in LUMINE AGRI MARCHE」
温田:私はアートにまつわる仕事に携わったのが初めてだったのですが、お相手が嬉々!!CREATIVEさんでほんとうによかったです。個人的には、グッズとして自分の手元に残るというのもありがたいですね。国内でのイベントでも、ぜひまたご一緒できたらと考えています。
勝又:今回の出展ブースのテーマには、「グローバル」と「ルミネアグリプロジェクト」の2つがあり、私の主な担当は後者です。ルミネアグリプロジェクトは日本各地の産地とのつながりを都会の方に提供したいという思いで活動しているのですが、産地や生産者さんの魅力を伝えようとすると、どうしても説教くさくなりがちで。でも、嬉々!!CREATIVEさんとコラボさせていただいたことで、かわいくキャッチーにプロジェクトを知ってもらうことができると思うんです。それはルミネアグリプロジェクトの担当者として大切にしていることなので、今回のコラボレーションには感謝の気持ちでいっぱいです。
―北澤さんはいかがですか?
北澤さん:ルミネさんのように、作品をとおして心を通じ合える人が増えていったらいいなと。たぶん、出会っていただけさえすれば、嬉々!!CREATIVEのアーティストのとりこになる人がいっぱいいると思うんです。
福祉の事業というのは、まだまだ国の政策のなかで“端っこ”にあるのが現状です。障がいのある方が、もっと社会とつながっていくにはどうしたら良いのだろう、と考えたとき、アートはより多くの方に知ってもらうことのできるツールになると思います。嬉々!!CREATIVEのアーティストや作品の魅力を広く知ってもらうとともに、福祉事業への注目がもっと高まってほしいなと考えています。今回のコラボレーションが、そのきっかけのひとつになったらうれしいです。
■嬉々!!CREATIVE
https://www.kikicreative.jp/
https://www.instagram.com/kiki_creative2022/
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