ルミネ環境推進プロジェクト

活動レポート

活動レポートその2

さて、伝える際は「HAPPY!」をモットーにしているLUSHですが、バイイングチームが自らの仕事を「クリエイティブバイイング」と呼ぶように、その調達過程では農家と売買契約を結ぶだけに留まらない社会的使命を感じている様子がうかがえます。
例えば、人気のソープ「ブラジル娘の唄」に入っているキウイフルーツ。原材料の輸送距離をできるだけ短くしようと日本に「キッチン」を設けたLUSHでは、地産地消は重要なキーワード。果物にしても野菜にしても鮮度が高く、完熟した状態が最も栄養分がのっているため、お肌にも一番良いと考えます。

そんなバイイングチームが見つけたのが、LUSHのキッチンからほど近い小田原市で農家を営む石綿敏久さんが栽培するキウイ。無農薬・無肥料の「奇跡のリンゴ」を育てた木村秋則さんのことを調べるうちに、日本で初めてキウイの無肥料栽培(自然栽培)に成功した人が近隣の小田原市にいることを知ったのです。バイヤーの薗部さんと細野隆さんはさっそく石綿さんを訪ねました。

「ぜひ商品に使わせてほしい」とお願いしたところ、1年目は残念ながら断られたそうです。土作りや栽培方法にこだわりを持った農家は取引先と事前契約を交わして生産量を調整している場合も多く、新たな生産をお願いするには時間がかかります。
「夜ご飯まで一緒に食べる感じでお付き合いさせてもらわないとだめですね」と話すのは細野さん。食べるのではなく、化粧品に使うことへの理解を得るためにも「どうしてうちのキウイが使いたいのか」、バイヤーの説得力と誠実さが欠かせません。石綿さんの元へも何度も足を運ぶうちにようやく承諾を得られたそうです。
 石綿さんと話をする中でわかってきたのは、小田原がかつてミカンとレモンの一大産地だったということ。昭和40年代には東北・アメリカなどに盛んに出荷されていましたが、輸入自由化の波で生産は下火に。酸味のある小田原ミカンは糖度の高いミカンを好む現代消費者の志向ともズレが出てくる中、生産者の高齢化が進み、耕作放棄地もずいぶん増えたそうです。
 信頼関係が芽生えることで見えてくる地元農業の課題や問題点。「『また売れるブランドを作りたい』」とがんばる地元の農家さんを応援したい」と薗部さんは言います。こうしたバイヤーの共感力と情熱が、LUSHが取り組むべき次の「エシカル」を形作っていくのです。

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石綿さんのキウイ

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石綿さん

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薗部さん(左)と細野さん(右)